知らず足に違った負担をかけていたみたいだけど腰は無事 | 愚奏譜

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ワタシ、かなでの備忘録みたいなもの。
割と内向き・オタクなハナシが多くなりそうです。

上田秀人作品です。

『勘定侍柳生真剣勝負(二)胎動』小学館時代小説文庫

主人公淡海屋一夜も江戸に着いて、柳生宗矩に会うけど「柳生」を名乗るのは拒否。宗矩の脅しは効かない。
何だかんだで順調そうな一夜。アクションシーンでも、商人としての観察眼がスペシャル過ぎるし、柳生で柳生十兵衛に稽古を付けられて気迫耐性も付いたから、並みの戦闘者の動きならば大体読めてしまう。
やはり「異世界転生モノ」の味わいか。「大商人へ順調だったのにイキナリ柳生一族にされてしまった」的な。
活躍しそうな三姉妹もいるけど、今のところ彼女らに期待はしてない。それより、天下の柳生だから、並みの作家が書いたら剣豪客演が多くなりそうだけど、大丈夫かしら?
今のところ、現行上田作品で一番期待してる。


『聡四郎巡検譚(六)総力』光文社文庫

最終巻です。シリーズは続くけど。
はぐれ伊賀の藤川の大攻勢で水城家も総力戦。
もちろん水城聡四郎らの勝利だけど、藤川らは逃走。かかる事態になったことで師匠入江無手斎は単独行動へ。
そして聡四郎は道中奉行副役から惣目付(まだあったの?)へ。江戸の全伊賀者も配下に。か。
どうすんだ?これ。
師匠離脱はパワーインフレ回避策としては分かるけど、聡四郎の権力がその分パワーアップしちゃってる。作品都合でかなり数は減ったけど、伊賀者を使えるようになったから、アクションはマンネリしないか。聡四郎が惣目付になったら前線に出てこれないという縛りもあるし。
次シリーズも楽しみ。



『禁裏付雅帳(十一)偽計』徳間時代小説文庫

追い詰められた松平定信は東城鷹矢を潰すために、加増を理由に江戸へ召還。
箱根でも大バトル。
いよいよ最終章かしらね。
前は一番楽しみなシリーズでしたが、最近は着地が気になってしようがない。



『日雇い浪人生活録(十)金の美醜』ハルキ文庫

会津にしろ、水戸にしろ、どうしようもなく描かれてます。会津は『百万石の留守居役』でもやられてたよな。
鐚銭のネタは思ったより楽しみかもしれない。
相変わらず用心棒・諫山左馬介の女難シーンは和む。
めんどくさい与力がチョッカイ出してくるネタが一掃されてヤレヤレだけど、あれはアクションシーンを担保するためだったのか、なんて心配もする。