あわや緊急休暇かと思いきや大禍なく過ごせたのは重畳 | 愚奏譜

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ワタシ、かなでの備忘録みたいなもの。
割と内向き・オタクなハナシが多くなりそうです。

本のハナシ

『おれは一万石 繰綿の幻(十一)  慶事の魔(十二)』千野隆司(双葉文庫)

当主井上正国も奏者番になってし、領地運営もボチボチな高岡藩。なので、高岡河岸の納屋を増設して更なる発展を目論むけど、先立つものがない。
そんなだから、主役である世子井上正紀はつい勘定頭に強く当たってしまう。
何とかしようとした勘定頭は、商人の甘言に乗り、公金まで使って繰綿相場に手を出してしまうが、実は罠だった。
なんとか切り抜けたけど、その時の遺恨で、正紀に姫が産まれたりした時のどさくさ紛れに罠に嵌められる。
これまたなんとか切り抜けたけど、当主が奏者番ということで、少しは高岡藩に余得が入るかと思いきや、それ以上のトラブルが起きまくる。
どうにも、松平定信・松平信明の老中ラインとの関係が微妙だから、いきなりドカンとしたトラブルが起きそうで怖い。

小藩の家臣団だから、そこいらの村役場並みに顔触れに変わり映えがないのはむしろ当然だけど、その辺の「顔馴染み」感が心地よくなってきた。
小藩ゆえに、あまり家臣が死ぬようなことが無いであろうと思えちゃうのはダメかもしれないけど。

さて、ワタシは聖地巡礼してきて、今の高岡に藩を讃えるような碑があるのを確認してるから、高岡藩にバッドエンドが無いであろうとは信じられるけど、物語としてはどう着地するのか?
あとでまた二ヶ月連続刊行するみたいだから、ハナシも進むかしら?