はんにゃはらみ〜た〜 <ku-bunjin(文人)の物語>

はんにゃはらみ〜た〜 <ku-bunjin(文人)の物語>

文人 憑已(ひょうい)は純粋にヤマトびとである。
有機と無機の狭間に目に見えぬ妖機(ようき)がある。

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はんにゃはらみ~た~ <ku-bunjin(文人)の物語>-器1


憑已(ひょうい)は白い岩山の夢を見た。青く透き通る空にくっきりと白い岩山が眩い。その青と白とコントラストが美しく目覚めた後も心に深く残っている。


 憑已は描き掛けの軸絵に筆を落とす気にもなれなくて家を出た。行き先は神本町の古典街だ。古典街は古今東西の書物がデータベース化され、その記憶札が格安で手に入る。白い岩山がどうしても頭から離れない憑已は「白い岩山、白い岩山、、」とツブヤキながら古典街の情報ディスプレーを流し見る。情報ディスプレーはこのツブヤキを感知し、各店舗の有料情報からそのツブヤキに近い情報をディスプレーモニターに流していく。客はツブヤキで欲しい情報を店に伝え、欲しい情報を買う。情報は2cm四方の記憶札に入れられ客に渡される。
 憑已は意識的にツブヤキの速度を速めていく自分を面白く感じながらもツブヤキは止めない。確実にアタル感覚が強くなって来てる。気が寄って来てる。(これは何かアル、アタル)と体中の産毛がゾワゾワして来た。(確信に近づいている。
「これか!」一寸先、そのディスプレーモニターには白い岩山が鈍く光っていた。「キタ!」
つづく

ku-bunjin(文人)の物語-文人1

文人(ぶんじん)憑已(ひょうい)は純粋にヤマト人である。血潮に宿るヤマトの心、それが自然だ。ヤマトの国に流れ、佇む大いなる有機無機の間に目には見えぬ妖機(ようき)がある。
憑已の筆が走る時、その有機と無機と妖機が交わる。

 文人とは「科」で陽、「属」で文人である。憑已はその中でも「種」画人に生まれた。文人の中でも一際画才に恵まれ、幼き時よりヤマトの国に満ちる気を感じその中にある妖機を画に表す。憑已の描く軸絵水墨は四季により変化し、鳥は飛び、蝶が舞う、真の花鳥風月画だ。