2023年4月に、稀代の音楽家の別れについてブログを書きました。あれから1年。

 

今度は伝説の人物との別れです。なぜブログに残すのか自分でもわかりませんが、ここに書かせていただきます。私の人生で鳥山ワールドと過ごした時間は、NBAと過ごした時間と同じく貴重なものです。昨日は仕事が手につかず、クローゼットでカードダスを探していました。

 

伝説とは、事実如何に関わらず、世界を動かした、世界に顕著な影響を与えた人間や自然や現象を言い伝えていくものです。鳥山明は、そのマンガやゲームという媒体を通して人間の歴史に偉業を残し、正に伝説として後世に伝えられていくのでしょう。

 

Dr.スランプでは、そのあまりにもくだらないギャクを連発することで読者がアホになるどころか、笑うことで幸せになるという状況を作りだしました。うんちを棒にさして走り回る小学生が急激に増えたことは面白い社会現象でした。摘鶴燐や空豆タロウなんて笑いしかないですよね。凄いことです。マンガを読んだら頭が悪くなるという意味不明な社会の空気に対して(このころからやはり社会の流れを大人は認識できていないのです、現代のように)、明らかなカウンターアーギュメントを繰り出した鳥山先生とマシリトのコンビは本当に天才で、伝説なのです。

 

1話完結のマンガは厳しいと体感し、ストーリー物に舵を切りドラゴンボールを生み出す。世界を熱狂に巻き込んだドラゴンクエストシリーズでは鳥山明のキャラクターデザインがあってこそのドラゴンクエスト。その秀逸なイラストと世界観は、正に世界を変えました。クロノトリガーでもその実力は発揮され、今でも伝説のゲームとして語り継がれています。

 

人物やモンスター、およびメカを描く際のアイデアは、他のマンガ家も認めるように圧倒的にオリジナリティが高く、細部の作りこみが異次元です。かめはめ波は世界の何かしらの次元を変えたほどです。魔法使いと聞くと、とんがり帽子(バーバラやベロニカ)が浮かび、モンスターと聞くと、スライムが最初に浮かぶ。フリーザの最終形態は世界の想像のはるか上をいきました。マーベルの映像にはふんだんにドラゴンボールの映像アイデアが組み込まれています。後半は格闘ばかりで食傷気味でしたが、それは鳥山先生も気づいており、ベジータで終わらせたかったという雑談。

 

もう書き始めたら終わることのない鳥山ワールドへの思い出や賞賛。多分、卒論を書けますね。

先生のアイデアを受け継いだ人々がまた世界を創っていくのでしょう。新しい世界を創った伝説の人物に黙とうを捧げます。ありがとうございました。