「仲のいい夫婦」と「セックスレス」という矛盾
既婚者向けの出会いの場で出会った、ある女性の話。
彼女は一見すると、とても幸せそうな奥さんだった。
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旦那さんとは今でも仲良し
休日はよく二人で出かける。
夏は海へ。
秋は紅葉を見に。
冬は雪山や温泉旅行へ。
季節ごとの楽しみを共有している。
普段も自然に手をつなぐような関係。
会話もあり、笑い合える時間もある。
話を聞けば聞くほど、「うまくいっている夫婦」に見える。
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ただひとつの問題 ― セックスレス
問題は、ただひとつ。
セックスレス。
彼女のほうから何度か誘ったこともあるという。
でも、そのたびにやんわりと、あるいは明確に断られてしまう。
嫌われているわけではない。
愛情もある。
スキンシップもある。
でも、男女としての関係だけがない。
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「女性」を捨てきれない気持ち
最初は我慢していたらしい。
「夫婦だから」
「仕方ない」
「贅沢は言えない」
そう自分に言い聞かせてきた。
でも、心の奥ではずっと寂しさが残っていた。
妻である前に、ひとりの女性。
求められたいという気持ち。
触れ合いたいという欲求。
それを完全に捨てることはできなかった。
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だからこそ、求める関係は明確
彼女のスタンスははっきりしていた。
・感情的に依存しない
・家庭を壊さない
・会えるときに会う
・会えば体の関係がある
いわゆる“割り切った関係”。
逆に言えば、
会えないのにダラダラとメールを続ける関係は不要。
「それは旦那さんがいるから足りている」と。
話し相手や日常の共有は、家庭の中で満たされている。
足りないのは、ただ一部分だけ。
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この矛盾は珍しくないのかもしれない
仲のいい夫婦。
でもレス。
愛情はある。
でも求められない。
外から見れば幸せ。
中身には空白。
このギャップに悩んでいる人は、思っているより多いのかもしれない。
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何が正解かはわからない
彼女の選択が正しいのかどうかは分からない。
ただ、
「女性でいたい」という気持ちは、誰にも否定できない。
夫婦の形は人それぞれ。
でも、
心と体のバランスが崩れたとき、人はどこかでそれを埋めようとする。
それだけは、強く感じた出来事だった。