よく言われることですが、不妊治療って出口の見えないトンネルのようなものです。自分がその立場になるまであまり理解できませんでしたが、今ならわかります。というか、日々痛感しています。

今、私は治療のお休み期間中です。前の病院で不妊治療の大きなステップ(正直に言いますと体外受精。なかなかこれをブログに書く勇気がなかった汗)で失敗して以降、気持ちを切り替える意味でも転院を決意した私。新しい病院はすごく人気が高いのか4月1日まで初診の予約が取れず、それまでの間半ば強制的にお休み期間となったわけです。

でもこれが私にとってはすごくよかった。少し冷静になりいろいろと自分と向き合うことができています。

前の病院での不妊治療中はものすごく焦っていました。その病院はとても早くステップを進めたがる病院で、私は可能性にかけ次々とステップを進め、ついに体外受精にまで、踏み切ったのです。
妊娠という結果がほしくてたまらなかった。意地もありました。周囲は30歳という年齢もあり空前の妊娠、出産ブーム...取り残される寂しさ、劣等感も私のそんな気持ちに拍車をかけました。冷静な気持ちなど持てなかったから高い自費診療に何十万も使ってしまいました。

失敗してみて、強制的に治療お休み期間に入ってみて、ハタと我に返りました。そしてやっと今少し冷静に自分と向き合えるようになったのです。

自分は子供がほしいのか、妊娠がしたいのか

本当に治療までして子供がほしいのか、周りに取り残されたくないのか

そもそも体外受精などまでしなくても子供はできないのか(ステップを早く進めすぎたため、実際には自然妊娠のトライ期間はとても短いのです)

血のつながった自分の子供がほしいのか、子育てがしたいのか

自分が自分に勝手に与えているプレッシャーから解放された時、子供のいない人生を本当はどう思うのか

などなど。とりとめもなく自分と会話しています。
そうすると少しずつ自分はどうしたいのかが見えてきます。

もちろん、不妊であるという現実が変わったわけではないのでまだまだ気持ちは不安定ですし、自分の考えが揺らぐことは多々あります。

でも前の病院での不妊治療中には決してなかった視点が自分の中に芽生えてきているのは間違いありません。

視野を狭くしてはいけない。

最もなことで、他の分野のことでは私はこれを常に意識するほうです。
でも、こと不妊治療に関しては今までは全くそうなれなかった。何というか、人としての劣等感、自己否定、喪失感、プレッシャーなどが今まで自分が経験した他の分野のこととは比べものにならず、私は常に焦り、落ち込み、意地になり、自分を責めていました。

今、少しだけ芽生えた新しい視点と冷静な気持ち。大切にしていきたいと思います。



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