1933年パリ。カフェで思索の戯れに耽る哲学者たちの傍らにはアプリコットカクテルがありました。


‘‘あんず’’って名前の カクテル。潔くて好きです。ネーミングってどうしてもカッコつけたくなりますもんね。
ストレートなネーミングで思い出しましたよ、我が子に、‘‘ひたむき’’って名前を考えたことを。まあ、閃いただけで採用しませんでしたけれども。


このカクテルはアプリコット・リキュールとオレンジジュースの甘味と、レモンジュースのフレッシュな酸味とのバランスがとても良いのです。
哲学者‘‘シモーヌ・ド・ボーヴォワール’’が好んでいたとかいないとか。
彼女はアプリコットカクテルを「消費されるのではなく、見たり触れたりするもの」と表現したりして。

1933年パリ、モンパルナスのカフェ。
レイモン・アロン、サルトル、ボーヴォワールら哲学者たちはアプリコットカクテルの前に集いました。この時生まれた新しい思想はやがて世界に広がり、戦後の解放運動、学生運動、公民権運動へ繋がったそうです。

私は詳しくありませんので、興味ある方は‘‘サラ・べイクウェル’’の著書をどうぞ。

節目や転換期、人生のところどころにカクテルが彩りを添えていたら、それは素敵なことですね。


《レシピ》
・アプリコット・リキュール・・・30ml
・オレンジジュース・・・・・・・15ml
・レモンジュース・・・・・・・・15ml
・ドライジン・・・・・・・・・・1tsp


●シェーク