源氏物語カクテルNo.11。
オリジナルカクテルです。

第41帖‘‘雲隠’’は、もともと巻名だけで本文は書かれなかったとする説と、本文はあったが紛失したとする説がある謎めいた巻なのです。
本巻の前巻である「幻」から次巻である「匂宮」までは8年間の時間が経過しており、この間に‘‘光源氏が死んじゃってる’’のです。

ひとつの伝承には、これを読んだファンたちが世をはかなんで次々と出家してしまったため時の天皇の命により内容を封印してしまった、焚書処分にした、とあります。

また、本居宣長は考察しています。
「作者である紫式部は、源氏目線で彼の妻・紫の上の死という‘‘もののあはれ’’の心情を書き尽くしており、源氏の死についてはもう誰の目を通しても書くことができない、紫式部はあえて何も書かずにいたのだ」と。
おもしろいですよね。
私は敢えて書かなかったとする説を推したいです。

とまあそのような事でして、カクテルは満月をイメージしました。
光源氏を月に見立てました。
まさに今、雲に隠れんとするお月様です。
煌々と輝く満月にすることで、雲に隠れて光を失う様を想像してもらうのです。
これも言外の余情でしょうか。。

ベースにしたマルコーニジンの個性は柚子リキュールと相性が良く、その強いクセが丸みを帯びます。
深みある美味しさをどうぞお試しください。


《レシピ》
・マルコーニ46・・・・・・・15ml
・奏「柚子」・・・・・・・・15ml
・オレンジジュース・・・・・20ml
・レモンジュース・・・・・・10ml


●シェーク