先日‘‘グラスホッパー’’を取り上げました(No.019参照)が、言葉が足りなかった、クリーム絡みでこれを抜きには語れなかった、と焦りながら筆を取った次第であります。

このカクテルの名前は、元々は‘‘アレクサンドラ’’でした。
デンマークから英国王エドワード7世のもとに嫁いだアレクサンドラ王女に寄せて作られたのだそうです。
いつの頃からか‘‘アレキサンダー’’となっており、何だかゴツそうな強そうな雰囲気となりました。

ジンをベースにしていたものがブランデーへと替わるなど味わいの変遷も見られます。
アレキサンダーが印象的に登場する映画「酒とバラの日々」では‘‘ブランデーアレキサンダー’’と呼ばれており、1962年当時はまだ、ネーミング変遷の過渡期だったことが窺えます。

現代のアレキサンダーはブランデーをベースにするとの認識でほぼほぼ固まってきました。

さてさてクリームの件ですが、グラスホッパーと同じように植物性ホイップを使用することに変わりはありません。
しかしさらにアレキサンダーのクリームは、ホイッパーでもこもこに泡立ててから使用するのです。固めに仕上げても大丈夫です 。

もこもこホイップはメジャーカップで量れませんので、「おおよそ30mlを泡立てたらこのくらいだろう」という量をすくいシェーカーに入れます。
ホイップすることでカクテルの口当たりがびっくりするほど滑らかになります。この一手間を加えるか否かでまったく別物になるのです。

ではグラスホッパーのクリームもホイップすれば良いのでは?となりますよね。
高アルコール度数のお酒(ウイスキー、ブランデー、ウォッカ等)を使用するカクテルの場合は問題ありません。
しかしアルコール度数が低く糖分の多めなリキュールだけの組み合わせカクテルの場合は、その口当たりが‘‘野暮ったくしつこく絡みつく’’ような感触になってしまうのです。

なので私はカクテルによってクリームを使い分けるのですが、上記感想はあくまでも個人的なものですので、グラスホッパーなどのリキュールベースカクテルにホイップしたクリームを使用しても何ら問題はありません。

少々長くなりましたね、ごめんなさいです。

それではあらためまして、びっくりするほど滑らかなアレキサンダーをご賞味くださいませ。


《レシピ》
・ブランデー・・・・・・・・・・20ml
・ブラウンカカオ(エギュベル)・・ 20ml
・植物性のクリーム(ホイップしたもの)・・30ml分


●シェーク

※グラスに注ぐ際にストレーナーにて氷片を取り除く