本日の日経新聞の一面で、「LTE対応、通信各社の主流に」


という記事が掲載されていた。


普通に読み飛ばすと、スマフォの通信回線が早くなるんだ、


という考察で留まるが、個人的には大きな変化であると


感じている。


私は今回の変化を、


「スマフォの第3次革命」と捉える。


第1次革命は、皆さんも記憶に新しい、iPhoneが社会に登場した時。


この時は、デザイン性、アプリという2つが革新的という


評価が大半を締めていた。


第2次革命は、周辺ソフトウェアの充実である。


分かりやすく解説すると、PCのWebサービスがスマフォ対応化


している流れ。PCのWebコンテンツのスマフォ最適化、


Facebook、Yahoo、Amazonなどのブラットフォームサービスの


スマフォ最適化。(※ここの最適化という意味は、表現の最適化


ではなく、機能としてのスマフォ独自の最適化)


そして、近年では、企業のマーケティングコミュニケーションも


スマフォ最適化されつつある。企業HPのスマフォ最適化、


カタログネイティブアプリの登場など、ここの変化は物凄い


スピードで変化している。


第3次革命は、通信回線の変革である。


通信回線の変革とは、つまり、PCと同程度のスピードを


スマフォで実現できるということになる。


通信回線がPC並に変わることによる、変化を5つに


まとめてみたいと思う。


1)流通コンテンツの量拡大


通信回線が早いということは、必然的にWebを読み込む時間が


早くなる。これは、生活者が更にスマフォブラウジングの


時間を増やすきっかけとなると思われる。


現在、スマフォにおけるWebブラウンジング利用は拡大中と


言われているが、私はこれが2倍~3倍に拡大するのでは


ないかと思う。丁度、PCがISDNからADSLに変化した際に


行った変化と一緒である。


2)流通コンテンツの質拡大


現在、スマフォの3G回線を利用している中で、現実的に


表示するコンテンツは、テキストと静的画像の2つが主流に


なっているだろう。動的画像や動画は、家で寝る前や


休日のまとまった時間にしか見ることができない。


なぜなら、遅くて、ストレスだから。


これが、PC並みの通信回線になることで、スマフォでも


動的画像、動画コンテンツを見る頻度が拡大する。


私は、3G回線とPocket WiFiのデュアルユーザーだが、


Pocket WiFiを利用している際は、なんとなく、


スマフォ上で動画を見る気分になるものです。


なぜなら、早くて、ストレスがないから。


3)スマフォ最適化コンテンツの需要拡大


スマフォ最適化という言葉を聞くと、PCのHPを


スマフォの画面用に修正しなおす作業という


イメージを持たれることが多い。


しかし、ここでいう最適化コンテンツとは、


スマフォの画面×利用シーンにあわせた


コンテンツ作成および編集のことを意味している。


事実、デジタルマーケティングの最先端を走っている


企業は、PC、スマフォ、タブレッド等の端末別に


用意するコンテンツが異なっている。


PCを利用しているユーザーと、スマフォを利用している


ユーザーは重複しているが、表現可能範囲と利用シーンが


異なるため、当然といえば当然である。


ユニクロ、無印、メルセデスベンツなど、主要の企業は


PCとスマフォで戦略を考案して、コンテンツ開発を


進めている。事例は改めてどこかで整理したいと思います。


4)ユーザー生成型の動画コンテンツの流通量拡大


YouTubeやUstream等、ユーザー主体で動画を作る


プラットフォームは既に存在する。しかし、


一部のネット高リテラシー層しか利用をしていない


のはなぜか?(事実、私の周辺でもYouTubeに自分で


動画をアップしている人は10人に1人いるかいないかだ)


理由は2つあると思われる。


1つはオペレーションの問題。


PC時代はビデオカメラで動画を撮影し、それをPCに取り込んで


それからWebにアップする必要があった。単純に面倒である。


それを解消するデバイスがスマフォである。しかし、スマフォ登場


から数年たっても、動画コンテンツのユーザー生成は限界がある。


2つは心理的ハードルの問題。


人は、自分が見ないものを、他人に見せようとはしない生き物である。


つまり、スマフォの3G回線で動画を進んで見ないのに、自分が


動画をアップすることはしない、という自然な流れである。


逆に、皆がスマフォで動画を見るようになれば、必然的に


動画をアップする環境になっていくと思われる。


5)スマフォ決済の普及


ここは2つの側面からいえる。


Eコマース市場は今後も拡大すると思われる。


現在、スマフォからの購入者も拡大している。


しかし、通信回線が遅いことによる問題が2つあった。


1つ目は、表現の限界。


購買意思決定には、一定以上の情報量が必要。


しかし、写真、動画、音声等、購買を後押しするための


コンテンツ表示はスマフォ上では限界があると思われていた。


2つ目は、決済時の通信速度の問題。


3G回線でクレジット番号を打ち込み、購入ボタンを押した後の


待ち時間は、とても長くてストレスになる。


待ち時間にも移動しているので、圏外になって


購入情報がリセット!という最悪の事態になることもある。


※私はAmazonのスマフォヘビーユーザーなので、この事象に


3-4回ほど遭遇している(涙)


通信速度が速くなることで、この手のストレスが薄れ、


更にリッチコンテンツで商品情報を知ることができ、


購買判断を助けることが可能になる。


※もちろん、ただ、リッチコンテンツを表現すれば


モノが売れるというわけではないが。



以上5点が、スマフォ回線の高速化による5つの変化、


になります。


これは、あくまで、私の私見なので、他にも視点が


あるかもしれません。ご意見がある方は、是非、


コメント欄にお願いします。