ビジネスをしていると、様々なシーンで


意思決定をする必要がある。


意思決定には2つの種類があると思う。


・成果が約束された意思決定


・成果が約束されていない意思決定


前者は、社内にルールや制度があり、


その基準に沿って承認・実行をするような場合。


つまり、一定の条件化において、正しいことと


正しくないことが明確である意思決定。


後者は、正しいか、正しくないか誰もわからない。


でも、どちらかを選択して、前に進む必要がある場合。


事業戦略の決定、目標の決定から、お客様への提案、


マーケティングプランの作成など。


ビジネスの現場では、圧倒的に後者の意思決定が


多いと思われる。



後者の意思決定が必要になる場合、組織である以上、


その上長に相談をする場合が多い。


私は立場上、様々な意思決定を求められるわけですが、


心がけていることが2つあります。


1)衆議独裁


2)自分がすべき意思決定に集中する


衆議独裁とは、「関与者の意見をしっかりと集め、十分に議論


したうえで、最終的には、組織のTOPが1人で決断すること。」


である。


衆議は、自分には分からない事情、現場のニュアンスなどを


しっかりと組み込んだ上で、正しい意思決定を導くためには


必要不可欠な要素。


独裁は、最後は誰かが決める必要があること。良く、ビジネス、


特に大企業で見られるのが、多数決。


民主主義的で聞こえは良いが、それはTOPが決めることから


逃げているだけのこと。


意思決定には、リスクが伴い、失敗したらどうしよう・・・と


誰しも思う。だから、リスクがある意思決定からは逃げたい


もの。みんなで決めたのだから、責任もみんなとるべき


だよね、では、TOPとは言えない。


経営者の大切な仕事の1つは、「意思決定」といわれる


所以である。決めた後は、成功するように最大限の努力をする


のみで、失敗したらその原因を徹底的に追及し次の


成功に向けて、更なる努力をすべきである。



軍隊の指揮官と参謀の役割は、


参謀は、情報を駆使して、正しい戦略を導き出すことが仕事


指揮官は、参謀を含めた戦略を決めることが仕事


といわれる。名指揮官である、児玉源太郎が良い例である。


歴史小説では、指揮官の意思決定の苦悩が書かれている


シーンが多いが、それくらい、意思決定は大切である。


自分の意思決定で、何万という兵隊が死ぬ可能性が


あるので当然といえば当然。


でも、ビジネスも一緒だと思う。TOPの意思決定で、組織


が傾き、社員そして社員の家族の生活を壊すリスクがある。





2つ目の、「自分がすべき意思決定に集中する」ですが、


意思決定は、組織の様々な階層に存在する。


階層が上になればなるほど、決められる範囲が広がる、


と錯覚しがちである。上位役職者が、現場の細かい


意思決定まで関与し続けると、現場は決めることが


できない人、つまり、自分の頭で考えて、リスクを


とるマインドが無くなってしまう。


色々な経営者とお会いする機会があり、


「ウチの社員は主体性がない。リスクをとった提案がない」


という愚痴を聞くことがあるが、それは、経営者の理由も


多分にあるのではないか。



私はなるべく、自分にしかできない意思決定に集中


するように心がけるようにしている。


そのため、部下から相談を持ちかけられた際、


「それは自分で考えて、決めてください。その後に


報告をしてください」というケースが多い。


もしくは、


「それは自分やチームで考えて、自分の意志を


固めてください。その上で私に相談してください。」


というケース。



だから、自分の意思を持ち、考え抜いている部下との


会話は早く終わることが多い。


部下:○○という方向でいきたいと思います。


私;理由は?


部下:○○です。


私:分かりました。考えられるリスクはありますか?


部下:○○です。対策は○○です。


私:分かりました。実行において、私にできるサポートありますか?


部下:○○です。


私:分かりました。では、そのとき相談してください。



という具合。早ければ5分くらいで終了。



逆のパターンは


部下:○○について、鳥潟さんのご意見を聞きたい。


私:まず、あなたの意見を聞かせて欲しい。


部下:○○です。


私:その理由は?


部下:○○です。


私:その理由は本当?


部下:「・・・」


私:分かりました。では、もう一度、自分で考えてみてください。


その際は、○○と○○の視点を大切にして考えてみてください。



もちろん、最初から完璧に回答できる人は存在しないし、


上記のプロセスは時間が掛かる。


でも、そちらの方が確実に組織が成長すると思う。



衆議独裁


自分がすべき意思決定に集中する



私も完璧にできてはいませんが、常に心がけたい


テーマです。