たまには、陸上の話。

長男は、中長距離を専門にしている。





彼が高校3年生の時の最後の駅伝。

全国高校駅伝の予選。

長男は、1区を任された。(1区10km、2区、5区3km、3区8.1075km、4区8.0875km、6区、7区5km)






中長距離選手だから、スピードには自信があるが、スタミナはイマイチ。

1、2年生の時は、3kmの区間を走っていた。

長男にとって10kmと言う距離は、過酷な物だったと思う。





3年生になってすぐ、スタミナがある一人の選手が受験勉強の為、夏で引退する事を決意した。

彼の将来の為、誰にも止められない。

顧問の先生も彼が1区を走ると思い描いていたに違いない。

彼の引退表明の後、性格上1区を任せられる選手は、長男しかいない。

当時キャプテンをしていた長男は、チームの為に、得意である中長距離から、スタミナを必要とされる5000Mへの種目変更を余儀なくされた。

インターハイは、中長距離で勝負したかっただろう。

顧問の先生も充分に分かっていた。

だけど、敢えて長距離向けの練習をさせた。長距離をはじめるには、遅すぎる。

当然、インターハイは、夢のままで、出場は出来ない。

それでも、長男はチームの為に頑張った。





エース不在のまま迎えた駅伝当日。

7人が襷に願いを込めて、繋いだ。

引退した、その子も受験勉強の合間に、応援に駆けつけてくれていた。

私も途中の沿道で応援していた。

なかなか現れない長男。

一人、二人…

長男が私の前を通り過ぎたのは、8番目ぐらいだった。





ファイト~

あと少し…





懸命に走る長男を応援したあと、ゴールに向かった。





最終区は2年生。なかな帰って来ない。

優勝は、都大路(全国)の常連校。

結局、全国にも地方大会にも行けず…3年生は引退した。







1区を任せられるのは、お前しかいないと、随分負担をかけてすまない。本当は、得意の800で勝負したかっただろう。

だけど、いつもチームの事を考えてくれたお前を誇りに思う。

こんなに期待にこたえてくれた教え子は、初めてだ。ありがとう。

大学に行っても、高校で頑張ってきた事は、きっと生きる。







卒業する時に、顧問の先生が長男に言ってくれた言葉。


ありがたい。


長男は、大学生になった今でも陸上を続けている。