皆さんこんにちは!
暑い日が続いてますが、暑いと言えばホラー

以前mixiで書いたネタを誰でも読めるように公開してほしいとの声があったのでこちらに加筆をして公開します

よく考えたらこの歌ってホラーですよね…
第一幕「俊雄」
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俊雄は今日も精力的に仕事していた。
彼は急成長している製薬会社で28歳にして部長という地位にいる。
俊雄は顧客、協力会社のみならず上司を納得させ、反対意見を真っ向からぶつけてもそれを丸く治める術を知っていた。
また部下達にも人望は厚く、給料日は自分が残業して部下を帰し、給料日が近づく頃には部下達を誘って飲みに行っていた。
「さて、みんなお疲れ様!
今日は久々にメシ食いに行くか。
いつものJe hommeでいいか?」
俊雄が声をかけると歓声が上がる。
と、その時
「つんてんたらりらたらりらりん
」
俊雄の携帯に「着信 伽倻子」の文字。
-またかよ-
伽倻子と婚約したのは1ヶ月前。
何故伽倻子と婚約したのかわからない。
実際伽倻子と付き合う前に沢山のガールフレンドがいた。
なのに伽倻子と付き合ってから一人ずつよくわからない理由で俊雄の周りからいなくなった。
結婚しようと言ったのも俊雄ではなく伽倻子だ。
結婚なんて夢物語と考えていたはずの俊雄が伽倻子から
「結婚…しましょう」
まるで操り人形のようにオッケーしてしまったのだ

そもそも俊雄は見た目が派手な女が好きだ。
伽倻子は物静かで清楚な美人ではあったが、時々何かしら妙な違和感を覚える女性だった。
人生最大の決断の一つを何の考えなしに決めてしまうなんて…
俊雄は伽倻子からの着信を無視し、フレンチJe hommeに予約した。
第二幕「Je homme」
…
…
…
「婚約者の方ってどんな方なんですかぁ
」
」部下達から根掘り葉掘り聞かれるのが辛い。
だいたいどんな方って言われても…
やりきれなさに俊雄の視線は宙を舞う。
その時俊雄は目を見張った

何と右斜め前の席に伽倻子がいる

「あ、ほら、あそこに一人で座ってる女性がいるだろ。あんな感じ…かな?」
皆が一斉に 俊雄が指差した方を見て一斉に向き直る。
「ぶちょ、そっちにテーブルないですから。」
そんなはずは

と思い、そちらを見たが確かにレンガの壁でテーブルなんかない。
あれ?確かにいたと思ったのに…
「もう、部長!
本当にフィアンセに逢いたくて仕方ないんてすね!
妄想でまで彼女さんのことを見るなんて…
まだ震えてないからいいけど…
結婚してもちゃんと私たちの分も取っておいてくださいよ
」
」「ちょっとぉ、私達の分ってどういうことよ
」
」「まさか、まさかなの
」
浮かれ騒ぐOL達。
ところがフォローを入れて会話を逸らしてくれたOLに感謝していると彼女はみるみる青ざめて突然うちに帰ってしまった。
第三幕「会話」
俊雄は帰り道すがら伽倻子に電話した。
俊雄「もしもし、あ、僕。
今さあ、青山通りなんだ。
あと…五分で着くから」
伽倻子「11時に来るって言ったよ
」
」俊雄「電話のコールがなりやまなくてさ…」
伽倻子「もう、来なくていいよ…」
俊雄「じゃあ、引退するよ
」
」伽倻子「冗談だよ!」
俊雄「Crazy for you」
そんな他愛ない冗談で会話をしているうちに伽倻子の家の近所のパーキングに着いた。
伽倻子「俊雄君、ゆっくり来てもらって大丈夫よ。
部屋を片付けてるから。」
俊雄「伽倻子はいい子だなあ。何だか早く逢いたくなってきちゃったよ。」
伽倻子「逢いたい?俊雄君も?」
伽倻子は少し間を置いてポツリポツリと小声で歌い出した。
逢いたくて…
逢いたくて…
震える…
伽倻子「俊雄君、この歌知ってる?」
俊雄「西野カナだろ?伽倻子も西野カナ好き?」
伽倻子「違うの。この歌の本当の意味よ」
不意に受話器の向こうでカタカタと何かが震える音がした。
続く