別れを覚悟してから数日たった。仕事をしている昼間はすごくポジティブに考えられるのだが、何せ休日や夜はまだ心が痛む。

出勤しているときは「終わりのない不毛な恋愛に終止符を打てた!」とか「この半年間は神様がくれた学生時代のおまけ、再会させてくれてありがとう。想いを伝えられてよかった。」とか「彼女がいるってことで自信がでて、モテを勘違いした、くそ野郎や」とか最低なことも思えるのだが、夜と休日はそんなこと思えない。

私たちはよく、月や星が綺麗な夜に電話していた。「今日は夜空が綺麗やね。オリオン座見えるけどそっちでも見える?月もすごく綺麗。」とか。そしたら彼が「月が綺麗ってそうゆうことよね?僕も大好きです」と照れながらいってくれたり。恥ずかしがりやな2人が唯一お互いに愛情表現できるのが空が綺麗な夜だった。

会えない休日はお互いこんなことしたよと報告しあった。

こんなおいしいもの食べて、一緒に遊んだ子がこんなこと言ってた、電車で目の前のおじさんがすごいいびきかいてて聞かせたかったよとか、金木犀すごくいい香りするよねとか。写真も送りあってた。これからふとおもしろい瞬間があったり、素敵な瞬間に巡り合ったら私はどうしたらいいの。昨日も出先でこれ送ったら面白がってくれそうとか無意識に彼を思い浮かべてた。

遠距離で会えることは少なかったけど、その分こんな報告しようとか彼を想う時間は長かったように思う。お互い今まで誰にも話したことがない悩みも打ち明けたりした。そしてお互い初の両想いの相手。もう2度と会えないと思うとやっぱり心が痛いし、夜になると涙がとまらないし、夜空もまだ見れそうにない。