どもども。

珍しく連日入稿です。


これ書いておきたくて。映画「ニュースの真相」について。


ケイト・ブランシェットとロバート・レッドフォード共演。
テレビ局の敏腕プロデューサーが失脚した実話の映画化です。
(実話で知られた話なので、ネタバレも多少していますので、そのつもりで)

(C)2015 FEA Productions, Ltd. All Rights Reserved. 公開中


この映画、レビューしたかったけど、書ける媒体がなかったので、ここで。

CBS「60ミニッツⅡ」で、ブッシュが再選するか否かの大統領選の前に、ブッシュが軍歴詐称しているという話が飛び込んでくる。
それに飛びついたのがプロデューサーのメアリー(ケイト・ブランシェット)。
彼女は情報の裏を取る為に奔走し、証拠となる文書のコピーを元軍人から手に入れ、当時の上官の証言も手に入れる。
裏は取れた!と、アンカーマンのダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)とともに、報道。
そのニュースは世界を駆け巡るけれど、証拠の文書は偽物だとあるブロガーが暴く。
文書が書かれた時代には使用されなかったフォントが文字の中にあったのだ。
これはワープロが使用されるようになった時代に書かれたもので、古いものを装うために
何度もコピーをしていると。
スクープの喜びから一転、メアリーは窮地に。


と、こんな感じです。


私は、文書のフォントで偽造文書だとブロガーに突っ込まれるという展開に驚きました
そのあとは、そのフォントがその時代に存在することを証明する作業になり、もうこんなことで足元をすくわれたくないと必死という。
まずは「これは本物かどうか」と多角的にチェックしなければならなかったんだな~。
彼女はできるプロデューサーだったから、自分の力を過信していたように思った。
大きな獲物を前に興奮しすぎて浮足立っていた。


「問題なのは、ブッシュが軍歴を詐称していたことなのに、文書が本物かどうかフォントが
あるかないかの問題にすり替わり、本当に伝えなければならないことが、消えて行ってしまう」
とメアリーは叫びますが、まったく覆ることはない。

この映画に関して、メディアは権力に負けたとか、CBSが権力に屈した腰抜けみたいに言う人が多くてビックリしたわ
CBSはちゃんと報道したじゃん。日本だったら報道もできないと思うよ、こういうネタ。
報道したけど、偽物だったからこういうことになったわけで。


私はやっぱりミスはミスだと思ったし、会社側がメアリーに対して「どうなんだ」と責めたのもわかる気がしたんだけど、ヤフーのレビューみると、
メアリーを守らなかったCBSに対する厳しい声や、問題がすり替えられていることに対する憤りも多くて、これまたビックリ


報道機関として、偽造文書かもしれない物でスクープしたプロデューサーをある程度処分するのは当然じゃないかと。テレビ局としても大恥かかされたわけだから。なんでもっとちゃんと裏を取らないんだと言われるよ、それは。


私は政治がらみの記事は書くことはないけど、こんなちっぽけな世界でやっている私でも、自分のミスによる記事が世の中に出回ったら、どうしようと胃がキリキリする
ましてや、国をゆるがす報道がそんなことになったら、もうハゲちゃう、胃に穴があくよ
だから、これは偽文書だと言われたときのメアリーの気持ちを思うと、いまでもゾっとする。
この失敗のせいで、信頼する有名なアンカーマンまで責任をとって退くことになるんだから。


この映画はメアリーの著作の映画化なので、メアリーよりの映画として、彼女の身に起こったことが実に理不尽であることを描いたつもりなんだろうけど、私にはそうは見えず、

ミスは怖いな~と。
ちゃんと足元を見ないとダメだな~と。


自分を振り返って思ったのでした。
見応えありますよ、これ、見る人によって感想が違う映画って、おもしろいよね。