西原理恵子の原作を映画化した
『いけちゃんとぼく』
原作は絵本だが、子供向きというより大人が読んで
泣ける本だ。
短いお話を脚色、原作の世界観を失わずに実写化したのは
CM界で活躍してきた大岡俊彦監督。
≪STORY≫
いけちゃんは9歳のヨシオにしか見えない不思議な
生物。
ヨシオが困ったり悩んだりしていると、突然現れ、
励ましたり、ちゃかしたりする、ヨシオの大親友だ。
ある日、お父さん(萩原聖人)が事故死した。
お母さん(ともさかりえ)は働くことになり、
夜も不在でヨシオは心細くて仕方がない。
そんなヨシオにいつもやさしく寄り添ってくれるいけちゃん。
いけちゃんは「他の誰よりも、先に大人にならないといけない
子供がいるんだ。君もそのひとりだよ」と語った。
ヨシオはどんどん強くたくましい男の子に成長していった。
いじめられっことの闘いもやられっぱなしじゃない。
知恵と勇気で向っていき、ケンカが終われば仲直りできる
心の広い男の子になってゆく。
でもヨシオの成長とともに、いけちゃんがあらわれる機会は
減っていった。
そしていけちゃんは「自分の正体」をヨシオに語りだした。
≪心温まる少年物語&究極のラブストーリー≫
前半、いけちゃんとヨシオの物語は、まさに少年の成長物語。
いじめられっことのバトル、友達との秘密基地など
子供ならではのエピソードに、
父親を亡くしたヨシオが父親の死を経て体験する
さまざまな葛藤を、いけちゃんというパートナーといっしょに
乗り越えてゆく。
ああ、男の子ってこうなんだなあ、少年時代ってこういうもんで
こんなこと考えているのか…としみじみ思いながら鑑賞。
そして、そんな思いは最後、いけちゃんの告白で謎が解ける。
そうか、いけちゃんはヨシオのそんな少年時代を見たかったのかと。
ネタバレになるので、これ以上は書けないが、
最後はジンワリと感動のさざ波が胸に押し寄せる、
まさにジワーンと
これって究極のラブストーリーじゃないですか。
≪蒼井優ちゃんの声&母子関係が見事≫
いけちゃんの声は蒼井優嬢が演じていますが、あいかわらず
うまいですな。
「鉄コン筋クリート」のときも凄いなと思ったが、
今回も蒼井優を感じさせず、
いけちゃんとしてスクリーンで生きています。
あとヨシオと母親の関係がよかった。
女同士の親子とは違う、微妙な距離感が感じられて、
男の子とお母さんの様子がリアル。
私事ですが、私には娘がいる(ヨシオよりちょっと下だが)
母と娘はこうはならない、なんかかかわり方が違う。
同性だからか、子供への踏み込み方が違うのだ。
この親子の距離感が、私が見てきた保育園などでの
男の子とママの関係を彷彿させた。うまいなあと
観たのはずいぶん前だけど、
いまこれ書きながら、時間がたってもジワジワ感動が
蘇る作品だなあと思った。
いい映画ですよ
●『いけちゃんとぼく』(6月20日、角川シネマ新宿ほか全国公開/配給:角川映画)
(c)2009「いけちゃんとぼく」製作委員会
↓アメブロさんからいただきました。
ありがたい!がんばります
Ameba人気ブログランキング
2009年05月度 月間段位アップ賞
「出だし好調!第1回月間段位アップ賞」カード