翌日は告別式である。
島でのお葬式だから面子はあまり変わらない。
山 口君は旅館の朝食に舌鼓を打ち何度もお代わりをしていた。
目元が腫れているのは彼も彼なりに店長の死を惜しみ悲しんだ証だと思えた。
昨夜と同じお坊さんがお経を唱える。
滞りなく終わりいよいよ出棺だ。
喪主である瞳さんの挨拶が終わり、店長のお父さんが参列者にご挨拶をする。
「本日は息子、剛のためにご参列をいただきまして誠にありがとうございます……」
ありきたりの挨拶かもしれない。
それでも涙をこらえ一つ一つ言葉を選びながら発せられるメッセージに心打たれる。
「最後に藤崎剛様がお勤めだった会社の代表者様よりお願いいたします」
葬儀屋さんの司会者がマイクを手渡す。
会長の挨拶が最後のようだ。
会長はゆっくり、深々く頭を下げた。
「えぇ、ゴホン」
咳き込みながら会長は言葉を失っているようだ。
無理もない……。
「会社の代表としてご挨拶をさせていただくのは藤崎君の一番弟子である金子君が適任かと思いますので……」
会長は此の期に及んで全て僕に丸投げして来た。
もちろん挨拶のメッセージなんて用意をしていないが渡されたマイクを返すわけにもいかず受け取ってしまった。
