3人の日本人が搭乗時間に間に合わなかったために、1時間以上も遅れて出発した帰りの飛行機の中からの投稿です。

食べ物の話題に逃げるのではなく、お仕事や現地の情報にも触れないといけないですね。

ところで、クウエートに限らず現地の朝の始動はとても早い。
今回、保健大臣や保健省事務次官の面談も朝7時半が指定されました。
(その点、日本と言うのはどうして朝の始業時間があんなに遅いのでしょうか…)

ところが、私は保健省に朝7時過ぎには到着していたのに、クウェート市内では大きな交通事故があり事務次官もまた面接のコーディネートをしてくれていた前事務次官補(公衆衛生担当)も到着できないとの連絡が…。
1時間ほど待たされて、現事務次官補が代わりに対応してくださいました。

日本びいきの彼は私の事を暖かく迎えてくれました。
何より、おみやげで持っていった「どら焼き」(本当は事務次官にあげる予定だったけれど)をお渡しすると、「これはドラえもん」と関係あるのか?と聞かれるほどの日本通。

大変和やかな雰囲気の中で行われた階段も、ビジネスの事になると、途端に顔が険しく鋭い指摘を頂きました。

その中でも貴重だった意見は、

「私はこの2,3年、韓国と中国に毎年行っているけれど、自分を含めて保健省の上官が日本から招かれたことはない。よって、日本がクウェートとビジネスを行いたい、とはとても思えない」

「日本製のCTなどを広めたい?クウェートの病院を全部回った見たか?今や中国製のCTがシェアの2位を争っている状況だ。」

「病院輸出やマネージメントのコンサルティング?クウェートの病院設立に関わる人間で日本の病院や医療サービスを知っている人が何人いる?日本びいきの自分でさえ全くわからない。おそらく日本の医療産業は技術は最高水準でマーケティングは最低水準なんだろう」

「日本を応援するためにひとつ有用な情報として、実は欧米のビッグネームのサービスは非常に悪く、金額に見合った提供を受けられないので、これまでのように欧米に向いていく方向は変わるだろう。これは日本にもチャンスがあると思うが、日本の医療を見せなければ、今までと状況は変わらない。」

今週初め、三井物産が京都大学の田中紘一名誉教授のシンガポールへの医療進出に投資をする件が話題になりました。
先週は、読売新聞で「病院をまるごと輸出」が紙上1面で大きく取り上げられました。

こういった面で機運が盛り上がったり、一時的にも病院輸出の問い合わせも、私のところに頂きました。
しかし、最も大切なことは、こういった見込まれる相手のところに何度も足を運び、彼らから情報を得て、彼らを積極的に招待することだと思います。

一見、「このクウェート人、たかっているな」と思うかもしれません。
気分が悪く、こういった人間(国)と関わったビジネスなどしたくない、と思うかもしれませんが、海外でビジネスを進めていく為には、こういった泥臭い事や相手の国の商習慣に合わせていかないといけないこともしょっちゅうです。

こういった点は柔軟に考えていかなければ、海外のビジネスでは成功できないと思います。
何より、「高品質な日本」と言うだけで、海外の人はもう私たちにお金を落としてくれないのですから…。
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