外編【鈴木宣弘】食糧危機の避けがたい現実(参政党木曜ライブより)37:27
(参考書)
食の戦争 米国の罠に落ちる日本 Kindle版 鈴木宣弘
=====鈴木宣弘 講演 字幕=====
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皆さんこんばんは、今紹介いただきました、鈴木宣弘と申します。
今日はこのような機会を頂きまして誠にありがとうございます。
それから食の戦争をみんなで買っていただきまして
この間ですね、2013年に出た本ですけども、またですね文春新書の1位に返り咲くというまさに皆さんのおかげでありがたく思っております。
食の戦争はですね、まさに、アメリカがですね、アメリカの政府の後ろにいる巨大企業が
日本をターゲットにしてですね貿易自由化しようと。
そして安くした食料で安全でない食糧をですね
どんどん日本に売り込むという戦争に日本が負けた歴史を書いたものです。
まさに日本の食料農業の市場というのはアメリカのですね最終処分場余剰農産物の最終処分場、
そしてアメリカの危ない食品の最終処分場に日本人がされてる。んですね。
この現実が我々を長く苦しめて、その最終段階に入ろうとしてるとそういう時にですね。
今大変な問題が食料の世界で起こってますよね。
私クワトロショックと呼んでますけども
まず、コロナショックがありました。
それからですね、異常気象も大変頻発する。
それから、中国が食料を爆買いし始めてます。
そういう時にね日本にはもうなかなか食料や生産資材が入ってこなくなってきてるのと。
どうしようと言ってる時に
ウクライナ紛争がとどめを刺してですね。
これでますます日本に食料や生産資材がもう入ってこないと。
そして中国と頑張っても買い負けして日本に送ってくれないんだねそういう状況が強まってるというのが今の状況です。
だからもう食料危機が迫ってんじゃなくて、
食糧危機の真っ只中に我々いるんだっていうことで、
きちんと認識しなければいけないと思います。
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実際2008年の食料危機と言われた時よりもここの小麦などの値段はですね、
それよりも一層高くなっちゃったんですよ。
まさに食糧危機真っ只中ですね。
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それから今回特に問題になったのは化学肥料の原料のリンやカリウム。
これは100%日本は輸入に頼ってるんですけども、
中国がなかなか売ってくれなくなってきてたんですね。
中国から一番輸入してたんですけどね。
そして困ったなと言ってた時にウクライナ紛争が起きて
ウクライナとかロシアはベラルーシとかあの辺りも、
その肥料の原料米生産国なんですね。
そうするともう一気に日本に化学肥料の原料が入ってこなくなるという状況が出てきて、
もう業界では今年の化学肥料は農家さんに供給できるけれども、
来年の化学肥料はもうないかもしれない、
という状況もでてきたら。
普通の農業だったらもう作れないわけですよ。
これが我々が置かれてる現実なんですね。
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それから例えば野菜の種もね、
コロナショックの時にえらいことが分かった。
野菜は国産率80%と高いじゃないか言いますけども、
実はその種は日本のタネ会社さんが供給してくれてるけど、
タネの9割は外国の畑で種取りしてるんだから、コロナショックで物流止まって
種が入ってこなくなりました。
なんとか今のところ回避できたけど、
本当に種が止まったら、
野菜の国産率80%だけども実質的な自給率は8%まで落ちちゃうわけです。
これが我々が置かれている現実ですね。
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それから畜産の餌はトウモロコシ100%輸入なんですね、
だから例えば鶏の卵が96%で自給できてるって言うけど。がんばってますね日本の農家さん。
でも餌止まったら自給率10%ぐらいまで実質落ちちゃうわけです。
こういうことがコロナショックでも身にしみて分かって。
さらにウクライナ紛争でも非常に厳しい状況が深刻化してる、
というのが今我々が置かれてる状況で。
その時に、じゃ国産でどれだけ賄えるかって言ったら、
なんと受給率我々の体のエネルギーカロリーの
37%しか我々は国産で作れてないですよっ、
てことは物流止まったら日本人飢えるんです。
多くの方が飢餓に直面し兵糧止められたら兵糧攻めで日本は戦わずして負けてしまう。
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こういう状況に我々います.
ですので高村光太郎さんも言いましたが食う物だけは自給したい。
それなくして真の独立はない。
まさにその通りですよ、
日本は本当に独立国と言えるのかっ、
ていうことがいま問われてるわけですよね。
でそういう状況を作らされたのは、まさにアメリカの占領政策で、
余剰農産物、アメリカの。
日本人は食べて行く国にするんだと、
農業はどんどん弱くしていけばいいんだ、
と言われて我々は貿易自由化を強要されてきた。
そういう歴史の中でですねこういう状況が進んだということですね。
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それから国内的には自動車で儲けて、
そのお金を貯めて食料買えばいいんだよ。
政策が行われてきました。
そのために農業は犠牲にするんだ、
差し出す生贄。
ということで我々は農業を犠牲にして、
自動車などの輸出を増やしてきた。
それで今でもですね今物が入って来ないって言って、
どうするかと言ってる時に、食料が。
経済安全保障だと。お金を出して買えばいいんだ。
とまだ言ってるんですよ。
いやお金を出しても買えない時に、
お金を出して買えるということを前提にした経済安全保障は、
何の役にも立ちません。
このことを考えないといけないのですね。
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さらに経済学者の多くは何を言うか、
と言うと。
そうだ、もっと貿易自由化を進めて、
そして物流を増やせば物が入ってくるじゃないか。
だから、
貿易自由化をさせられて、ね、
そして農業潰されたから、
いざという時にね、
我々食う物のなくなってんだから、なくなるんだから。
もっと貿易自由化しなさいって。
何、論理破錠じゃないですか。
ということですね、言わざるを得ないな、ということなんですね。
だから今はやはり足元を見つめ直して、
国内の食料生産力をしっかり高めなきゃいけない。
ということを議論しなきゃいけないのに、
さっき言ったとおり経済安全保障は出てきても、
食料安全保障とか食料自給率という言葉が、
真剣に全然、
国会の場でも議論されてないって。
異常な状況がいまある。
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確かにも世間的にはね、
色々皆さんも心配になってる方は増えて、
こないだ日経新聞さん
これで食料を止められたらね。
三食。校庭とか石垣剥がして芋植えて三食、芋食べればいいって。
農政省の試算に出てるけど、
そんなんでいいのかという話が出ましたし、
日経新聞さんの番組の
テレビ東京のワールドビジネスサテライトでも
私も出演して、
こういうことで日本はもう持たないよと、
日本という国が独立国としてこのままでは
持たないんだよっていう話を
日経新聞さんの方でもやってくれるぐらいにはなってるんですけどね。
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ところが国会議員の皆さんが何考えてるのか。
全くですねそういう議論が行われてないって言うね、
今のあの不思議な現実だと思います。
でさらに議論してないだけならまだしもですよ、
今この国内の生産力を高めないといけない、生産基盤を強化しなきゃいけないって言ってる時に、
なんとちょっと在庫が増えたから米作るな。
とそれから牛乳搾るな。ホルスタインの牛を殺したら5万円払う。
違うでしょ。
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今ね生産基盤を壊したらこれ以上農業つぶしたらね我々飢饉を乗り切れないんだと言ってるのに。
コロナショック在庫が増えたから、それをねなんとかするために、
そういう風にしてただ作る。
違うでしょうと。
コロナショックで在庫が増えたのは、
食べられない人も出てねそれで本当は買いたくても買えない人が増えてんだから。
海外はどうやってるかって言ったら政府の責任で、
しっかり米や牛乳乳製品を買い取って困ってる人に届けて在庫をはかすかして。
そして消費者も救って。
農家も救ってるわけですよ。
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これが世界の常識なのに日本はそういう政策を一切やらないで。
ただ作るな。絞るな。どそういうこと言ってるうちのが今の状況ですね。
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もう農家さん本当大変なんですよね。国産頑張ってくれってみんな思ってるかもしれないけども、今だって燃料の価格が高騰してるでしょ、
肥料の価格も高騰してるでしょ、それから餌も高騰してるでしょ。
生産資材はもうすごい値上がりの仕方をしてるのに、
何と米だって牛乳だって価格は低いままなんですよ。
輸入の原料で作った輸入食品は値上がりしてるのに、
国産の農家さんの原料資材の価格上がってるのに、
農家さんの価格は一切上がらない。
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こういう状況で農家さんは大赤字なんです。
だから本当にね今国産を増産しなきゃいけない言ってる時に、
農家さんはもう今まで以上に潰れそうになってるんです。
このような現実が放置されてるって言う事は、
とてもですね、日本の国を独立国として守るためには私はこれ以上放置できない極めて危険な状況じゃないかという風に思っております。
だからもっと農家さんの赤字も他の国ように、
ちゃんと補填したりね、もっとじゃあ学校給食に地元のいい食材をもっとどんどん使うのに公共調達で予算つけましょうね。
とかねそういう話をしようとしても、
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それに私の試算では例えば農家さんの米の赤字部分を補填するのに3500億円かかります。
財務省さんはそんなお金どこにあるんだと、言って農業予算は2兆円で、もう決まっててねもうほとんど動かせないんだからできるわけないだろって終わっちゃう。
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そういう話じゃないでしょうと、食料こそ防衛ですよ。国を守るには食料がなければ何も出来ません。
だからそのアメリカのねポンコツな武器買うのに F 35を147機で6.6兆円使ってますけども、
それは武器も必要かもしれませんけども、
そこにそれだけ使うんであればね食料品をもっとちゃんとお金使いなさいね。
まさに安全保障の要としての食料というものに対して
もうちょっときちんとね、
大枠の安全保障の予算をだから決めて。
農業予算じゃなくて農業農水省予算も学校給食の文部科学省予算も防衛予算も全部ひっくるめた安全保障国防予算としてこれをしっかり組んで食料もしっかり支えると。
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他の国に日本は過保護だ過保護だって農業が言われてるけど。
あれも真っ赤な嘘で自動車伸ばすためにするために、
メディアを使ってその関連の方々が徹底的に農業:を展開しての農業をですね解放しなきゃいけない規制緩和しなきゃいけないっていう風に国民に刷り込んできたんですね実は。
日本の農業農家の皆さんの所得に占める補助金の割合は増えてきてても3割程度なんです。ヨーロッパではですね100%当たり前なんです。
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まさに農業を守るということは、食料生産を守るっていうことは、
国民の命と健康を守りコミュニティを守って国土と国境を守っているわけでしょ。
だからそのためにはしっかりと食料農業を支えるのに国が責任を持つ。
とこれが世界の常識なんですが日本はそれがですね全く通用しない非常識な国になってるということですね。
あの考えないといけないなと思います。
それともう一つ冒頭で言ったそのアメリカからのですねその食の戦争攻撃は量だけの問題じゃなくて質の問題、
安全性の問題ですね日本に安全でないものを 、
つまり危ないものは日本にも日本人に食わしとけっていうのはこれが常識になっちゃってるとか戦略になっちゃってるって。
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例えば牛肉の例だけあげますけどね、
牛肉を作る牛を飼育する時にアメリカではエストロゲンというですね成長ホルモンを注入します。
エストロゲンは乳癌の増殖因子と言われてて、
日本では国内での使用は禁止されてます。
だけども日本はアメリカが怖いから輸入はザルにしてるんですよ。
ですので EU が国内でも使えないし輸入も禁止輸入品についても禁止してますしてます。
そうするとですね世界中の国が使い分けるわけです。
EU に売る時はそのエストロゲン注入しないでちゃんとホルモンフリー牛肉を売るし。
日本はオッケーだから日本にはその、他では売れない危ない肉を日本で売る。
アメリカ自身もですね最近はホルモンフリー牛肉の消費が伸びてきててアメリカ国民はホルモンフリーが食べたい言ってそっちへの需要が伸びて。
でも生産者さんはまだ耳ピアスでエストロゲンを注入した生産の仕方もやっとる。
とそうするとそれはどこ行くか日本人に食わしとけって話です。
そうやって世界中のですね危ない食品が日本はアメリカ怖くて基準緩めてるから日本に持ってけばいいじゃないか農薬もそうですよ。
EUで禁止になった農薬が日本はゆるいから禁止農薬日本に売っとけ。
てねこういうことになるのですよ。
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そうするとですね例えばあのアメリカ発の大きなグローバル種子農薬企業さんは、
最近ドイツの人間の薬を売ってる会社さんと合併しました。
彼らは噂で聞こえてきたんだけども何て言ってるかと。
日本で新しいビジネスモデルができたよねと、
これからますます日本人がね、病気になる、と病気にすると、遺伝子組み換えとかね。
農薬 で病気になった日本人もそうすると合併した人間の薬の会社の薬もまた売れると。
これ二度おいしいじゃないかと。これが日本における新しいビジネスモデルだと言ってるわけですね。
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それからもう一つ言っておくと。
学校給食が大事だっていうことで、われわれ学校給食でやられたじゃないですか。
アメリカの余剰穀物を無理やり日本人に食わせるために、
何と小麦を日本人の胃袋に押し込むために学校給食で、
余ったね小麦のコッペパンとか、半分腐っての脱脂粉乳ね。
皆さんあまりわかんないと思うけど、
私はその世代なんです。あれを押し込まれて私は嫌になったけど。
日本人全体としてはあれでねこんなに短い期間に伝統的な食文化を一変させた民族は世界に例がないって完全にやられたんですよ。
我々学校給食で子供餌食にして占領政策をやられちゃった。
今またゲノム編集のトマトを日本人にうまく普及させるために、
子供達の学校に配って子供たちから広めてしまうって話をね。
今またアメリカがやってるんですね。
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そういう利益は以前は最初の余剰穀物時はアメリカのグローバル穀物商社が儲かるし、
今回はゲノム編集のトマトを、
子供達から犠牲にして普及させればその利益は、
たどっていくとアメリカのグローバル種子農薬企業に入る。
だから結局ずっと我々が占領政策洗脳政策で、子供たちをまずターゲットにして、
そして危ないものを食べさせられてきたというね、
そういう風な歴史があるわけです。
だからこそ子どもたちを私たちは守らなければ日本の将来守れません。
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ですから学校給食とても重要で学校給食に本当に安全安心な食材をしっかり届ける仕組みをね作ることで。
そういうアメリカ側の戦略をですね跳ね除けるという意味でも、
これから学校給食をしっかりと安全安心な地元の食材で公共調達にしていくという行動も、そういう公共資源の政策のなかでは非常に重要になってくるのかなと思っております。
そういう風な形でですね今厳しい条件がありますけれども、
我々はしっかりとやり方を考えれば、その解決の道はありますので、
今、心ある人たちが立ち上がって。
そして本当に日本の、未来の、子供達の将来を守るために今何とかしなきゃ手遅れになること。
そして食料危機はもう真っ只中なんだから我々ねえあの国民を飢えさせるわけにいかないわけでしょだから早急に動いてシステムも変えないといけない。
そういう瀬戸際に来てるんだということをですね、
申し上げたいなと思いまして、
今日はお話しさせていただきました。