私のお気に入りアーティスト・ゴッホ。


その、アクティブな展示があるというのを、去年の年末に舞台を観に行った帰りの電車の中吊り広告で知った。(その日観た舞台は「花婿は迷探偵THE  FINAL」)




日時指定の前売りチケットを買って楽しみにしていたのに、当日体調不良でいけなくなってしまった。



どうにか体調も復活したので、ふいにしたチケットの元を取るべく、行ってきました。




最近はあまり足を運ぶ機会のなくなってしまった天王洲アイル駅から5分くらいの寺田倉庫G1。




当日券チケットを買い、もぎりのスタッフさんにチケットをもぎってもらい、エレベーターに乗っていざ。




最初にあったのは、美術展の解説のような展示。


ゴッホの作品の小さめな絵と、その説明が書いてあるものがたくさん並んでいる。



ひとつひとつ読んでいると、

もうすぐ何かが始まるのだというアナウンス。


40分くらいの何かがこれから始まる、解説文はそのあとでも読めますと。



ならばそっちへ行ってみるか。



ということで進路を進むと、

暗い中にスクリーンとミラーがたくさんある。


床にもある。



横幅も高さも違うスクリーン。いや、東映するのだね。プロジェクションマッピングだ。



音楽が鳴る中、ゴッホが描いた絵を元にしてストーリーが展開していく。



観たことがある絵が映り、ゴッホの作品として描かれた汽車や畑や酒場の絵がドラマのように現れる。



ゴッホ自身の気持ちや言葉はあまりなくて、彼の目線から、彼自身が描いた作品から訴えてくるものを、気持ちを集中して受け止める。



描いている時の気持ちが絵に現れているのだろうなと感じる作品たち。


花が咲いていくシーンは楽しい音楽に乗って美しい映像とともに絵が映る。


日本の文化にも興味があって、そんな作品もあった。


画風は年代によって様々。



明るい気持ちになれる花。


明るい気持ちになる景色。


暗い顔をした人の顔。


暗い気持ちになる酒場。




弟のテオや、テオの妻、一時期同居していたゴーギャン。



そんな人との関わりなどを、おぼろげな知識を元に考え、気持ちを想像する。



絵を描くことを、訓練するように修行するように描いていた時期もあったらしい。


ゴーギャンとは仲違いするように同居を解消したらしい。


ゴッホの最期は悲しいものだった。


そして彼の作品は生前はほとんど評価されていない。





彼は楽しい人生だったんだろうか。







ショーとしては40分。


聞いた時は長いと思ったけど、実際に始まって鑑賞し始めたらあっという間だった。




ショーが終わって、もう一巡する。


さっき飛ばした解説を途中から読みにいく。



ゴッホの「寝室」という作品を元にしたフォトスポットを撮った。

写真撮影も動画撮影もSNSアップもOKなのだそう。


自撮りはさすがに自粛しました。


友だち同士で来ているらしき人はお互いにセットの前で撮りあっていた。



星月夜の部屋に入ると、あの絵のような雲のぐるぐるがあってミラーと照明でキラキラしている。

まるであの絵の中にいるようだ。



ひまわりの部屋に入ると、一面に咲くひまわりがあって、ミラーでそれが増幅されている。


そしてQRコードを読み取ってスマホから観ると、この展示のキャラの「ゴッホさん」が現れる。




そしてもう一つ楽しみにしていたのがグッズ購入。


ここでは欲望のままに買おうと決めていた。


べらぼうに高額なのは諦めたけど、アクキーやマステやキャンディ、スケール、ボトルなど、欲しいまま買い物袋に入れていって多すぎて減らしたくらい。



でも推し活と同じ。迷ったら買う、だ。







帰り道、ゴッホがゴーギャンと同居を解消されたときの気持ちや、耳を切り落としたときの気持ちなど想像して悲しい気持ちになってしまった。








学生時代、サマセット・モームの「月と六ペンス」という小説を読んで、そこにゴーギャンのことが書かれていた。


あれと私が今とても好きなゴッホが繋がってくるなんて、自分の人生としてもとても素敵な巡り合わせなのかと思う。


まだしばらく、ゴッホに向き合っていきたい。