【読書】安売り王一代~私のドンキホーテ人生~ | 東大阪発。摂津金属工業所社長のブログ

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安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書)/安田 隆夫

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読了。
めちゃくちゃおもしろかったです。
ニトリの社長の本もおもしろかったですが、それを超えてます。

読み物としてのストーリー性もあり、「商売の要諦」も詰まったお得な1冊。寝る間を惜しんで読んでしまいました。まだ1月ですが、おそらく今年一。

怖いモノ見たさ、なんかおもしろそうなものないかなーで立ち寄ってしまうなんとも言えない魅力で、26期連続の増収増益を達成。年商も6800億円まで拡大。流通第3極としての地位も視野に入れているようです。

しかし、かつては夜のヤンキーの溜まり場、圧縮陳列、火事危険のネガティブ面の印象も強く、よくここまで復活拡大できたもんだと不思議に思っていましたが、本を読んで納得できました。

嫉妬と劣等感の塊 
原点は嫉妬と羨み
はらわたを振り絞れ
安田流「逆張り発想法」 
凡庸は即、死を意味する
すっぽり抜け落ちている夜の経済学
不運の最小化と幸運の最大化

見出しタイトルだけで手に取りたくなります。そのまま今日の標語に使えそうなのもありますね。

読む前の安田会長の印象は、現金問屋のやり手商売人、少々グレーな部分も通ってこられたちょっと怖い人。でしたが、読んで全くイメージが変わりました。謙虚で誠実・真正直なお人柄が本の中身、表現からわかります。
あのネガティブキャンペーンを乗り越えて会社を成長させる胆力も凄いです。
また一人遺大な経営者と出会えました。
直にお話できる後輩が羨ましい・・。


<読書メモ>
・世間一般の常識や理屈、既製のルールなどは全く無力で、むしろ有害な場合さえ多い。
求められるのは瞬時に相手の心の動きや欲求をキャッチする鋭敏な感性だけである。

・「攻めは他人のやらないことをアグレッシブに。しかし守りはベーシックに」

・「見」ができていない。ビジネスは長期戦だ。「見」をすべき局面もある。

・ドンキの基本商品政策は「定番6割、スポット4割」

・卸売機能を内包した”問屋SPA" 不動産屋を内製”店舗開発SPA"

・そもそも何も知らないから既存の成功パターンを知らない。自分がナマで体験し考えたオリジナル戦法を積み上げて戦うしかなかった。一般的な業界常識の視点からは理解不能だからての出しようがないのだ。


・市場がどんどん縮小しているこの時代に、新たに凡庸なことを始めるのは、即、死を意味する。

・今の自分には1ツキと上げ潮があるのだからさらにどうやって大きな勝ちを掴みに行こうかと思える人、つまり勝ちに敏感かつ貪欲な人がビジネスでは大きな成功を収める。


・すなわち運のいい人とは「運を使いきれる人」であり、運の悪い人は「運を使いきれない、使いこなせない人」と言えるだろう。


不運の連鎖に陥る最悪のパターンは目の前にチャンスがぶら下がっているのに、それを掴もうとしないことだ。チャンスがある時(幸運な時)に機敏に対応しない人は、チャンスが無い時(不運な時)に的確に対応しない人よりも、もっと不幸になる。