無為な日々、虚無な日々 | エキセントリックギャラクシーハードボイルドロマンス         

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〜文学、お笑い、オートバイを愛する気高く孤独な三十路独身男の魂の軌跡〜 by久留米の爪切り

定食、とは決まった食事、食堂料理屋などの献立の内容が決まっている食事のことである。そしてチキン南蛮、とは鶏肉に小麦粉をふり卵液を絡めたものを揚げ甘酢に浸した揚げ物料理で宮崎県延岡市が発祥とされている。つまり、チキン南蛮定食とは…。これ以上は止めよう。私は些か説明的に喋り過ぎる。

私は菊正宗おみき茶屋でチキン南蛮定食を食べた。外税を合わせると935円だった。千円札を一枚出すとお釣りは65円となりレジカウンターで間違いなく私はその65円を受け取った。定食の内容は白米、味噌汁、切り干し大根、チキン南蛮、スパゲッティ、千切りキャベツであった。私は先ずは味噌汁を一口啜り、出汁が効いていると感じ、次に白米を二口ほど口に運び咀嚼した。次に切り干し大根へ移り、其れからチキン南蛮の左端っこの一切れに箸をつけた。チキン南蛮に添えられたタルタルソースは酸味が強く自宅の冷蔵庫に居座るキューピーマヨネーズと比較すると上品な味わいだった。其れからどういう順番で私がチキン南蛮定食を食べ進めたのか。誰も興味はないだろうし、そもそも当の私も殆ど覚えてない。最後にスパゲッティを食べた事だけは朧げに記憶している。スパゲッティは甘酢に浸って酸っぱくなって居た。だから何だ、と問われたら私は返す言葉を持たない。白米はおかわり無料であり、私は一回おかわりを申し込んだ。隣りの席の年配の夫婦連れもおかわりを申し出ていたのだが、その内容は、茶碗に半分の半分くらいでお願いします、というものだった。はあい、と返事した妙齢の女性店員は、では三分の一くらいお注ぎしますね、と答えた。半分の半分は四分の一、ではないのか、私は心中突っ込みを決めて居た。まあ私には全く関係ない事だけれども。もしかすると私が義務教育で習った算数は机上の空論であり、リアルな資本主義経済社会では通用しないのかも知れなかった。

チキン南蛮定食を食べ終わった私の胸に去来した感想は、無難においしかった、という何の面白味、諧謔も含まない陳腐なものだった。そうして日々は過ぎ去っていく。B440355638