翔んでる警備29 | エキセントリックギャラクシーハードボイルドロマンス         

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〜文学、お笑い、オートバイを愛する気高く孤独な三十路独身男の魂の軌跡〜 by久留米の爪切り

「Eちゃんやん。“バロン”っちゃーどこにあっとね」

「バロン?」

「バイク屋らしか。O島さんがそこにカワサキFXが売りよったち言いよらっしゃったけんが、まあ、青春の思い出じゃなかばってん、少し見ろうごつなってから。おいん先輩が高校ん時乗りよったったい。158万ち札が付いとったらしか。プレミアもんやろうたい。おいは絶対買い切らんばってんな。眺めに行きたかだけたい」

「ああ、レッドバロン、ね。レッドバロンなら、ゆめタウンのバイパス沿いにあるやん」

「はあーん。あのデカか公園の通りたいね。そん“バロン”ち太かとね。なんでんバイクば色々置いてあっとね?おいはバイク屋は地元の田中輪業以外知らんけん」

「…うん。まあ、レッドバロン、は多分日本で一番有名な全国展開しとるバイク屋やろうね」

「なんね、“バロン”ちゆうとは…」

E朗は、どうしてV蔵が頑なに「レッドバロン」を「バロン」と独自に省略して発音するのか、不思議でならなかった。