黒いバインダーにプロフィールカードなるものが挟まれていた。中央に名前、年齢、職業、年収などの基本情報を書き込むようにしてあり、左右にそれぞれ、好きな異性のタイプ、好きな食べ物、休日の過ごし方、旅行に行くなら何処か、デートしたい場所は、好きな音楽、映画は何か、という記入欄が設けられていた。
真剣な面持ちで、箸山はボールペンを走らせる。
早速、年収欄を書くべきかどうか逡巡する。箸山の年収は一般平均と比べると、極めて少ないのである。かといって、無記入で年収0円と侮られては業腹である。箸山は多少盛って、年収200万円と記載した。
好きな異性のタイプを書き込む。すらっと清楚で上品かつ知的、黒髪で白ワンピが似合うゆるふわお嬢様系、とまだまだ書き足りない心持ちがしたが、記入欄が一杯になったので、箸山は一旦、ボールペンを置いた。
その他、諸々も書き終えた。行きたいデートスポットは大仏見学、城跡探訪、好きな食べ物はかけうどん、プロフィールカードは小さな字で真っ黒である。
「では、パーティースタートでーす」
黒スーツの女性係員が叫んだ。
この後、箸山は残酷な現実を目の当たりにするのである。