2025年9月28日。転記の続き。

 

※2015年10月12日(月)。体育の日。前回の記事タイトルに、「部屋の片づけをしながら」という前置きを書いた。で、実はその作業の最中に、押し入れの奥からちょっと懐かしい物が出てきたのだった。昔取った中検4級の認定証書である。「あら~、これとっくの昔に無くしちゃったと思っていたら、こんな所にしまってあったのか。そうかあ・・・」と、それからしばらく、目線が窓の外。若かりし日に思いをはせ、遠い空を眺める。今月の31日は当ブログの誕生日で、満11歳になろうというところ。―ということで今回は、ブログ立ち上げ11周年を記念しての特別投稿。

昔も今も“筋金入りのクラヲタ”を自認する当ブログ主だが、年齢30代後半という元気バリバリの頃、実はもう1つ、激烈に(笑)打ち込んでいる趣味があった。外国語である。いつ頃からだったか、「中学時代から得意だった英語のほかにも、何か別の外国語を独学で習得してみよう」と思い立ち、複数の言語にずっと取り組んでいたのだった。そして西暦1998年~2000年頃、それまでやってきた勉強の成果をまとめて目に見える形にしておこうと思い、次々と公的な検定試験にチャレンジしていったのである。

―まずは、フランス語検定。フランス語については約90%が独学で、残りの10%弱はフランス人、カナダ(モントリオール)人、モロッコ人、セネガル人といったfrancophonesとの会話体験。1998年秋の検定で、2級を取得。下記のような内容の合格証書が翌年2月、郵送で届いた。

DIPLOME D’APTITUDE PRATIQUE AU FRANCAIS
Reconnu par le ministere Japonais de l’Education Nationale
2 Le present certificat atteste que
Monsieur 当ブログ主
a subi avec succes les epreuves
du Diplome d’Aptitude Pratique au Francais (DAPF)
NIVEAU 2 (superieur 1),
organisees par l’Association pour la promotion de
l’enseignement du francais au Japon(APEF),
sous le patronage
du Service Culturel de l’Ambassade de France au Japon.
Fait a Tokyo le 27 janvier 1999

Toru Sawada : President de l’APEF
Christian MORIEUX : Conseiller Culturel pres l’Ambassade de France

―続いて、イタリア語検定。オペラ・マニアのブログ主であってみれば、当然の選択といえよう。w 1999年春の検定で、3級に合格。午前4級、午後3級の同日ダブル受験をして両方受かった形だが、試験日の帰りはさすがに、ぐったりした。イタリア語については完全に100%の独学ゆえ、3級取得までが精一杯。合格証書は下記のような内容の、小さな横長の紙。

CERTIFICATO
ITALIANO : PROVA DI ABILITA LINGUISTICA
ASSOCIAZIONE LINGUISTICA ITALIANA IN GIAPPONE

Si attesta che il signor 当ブログ主
nato il 当ブログ主の生年月日 ha superato la prova di abilita linguistica
di Ⅲ livello tenutasi a Tokyo 14 marzo 1999

13 aprile 1999

Abe Shiro : Presidente
Nishimura Nobuo : Segretario

―その次に受けたのは、英語。かねてより、当ブログ主が最も得意としていた外国語である。国際的に認められるスコアとして夙(つと)に有名なTOEICを、1999年の夏に受験。届いた結果は、以下の通り。

TOEIC
OFFICIAL SCORE CERTIFICATE

Registration Number. 0xxxx0 当ブログ主の名前&生年月日
Test of English for International Communication
The 73rd Administration ― September 19, 1999
LISTENING 485
READING 465
TOTAL 950
PERCENTILE RANK 99.2

TOEIC運営委員会

―で、最後は中国語。今でこそ中朝嫌いな熱湯浴(笑)にすっかり変化(へんげ)してしまった当ブログ主だが、この当時は全くのノンポリ。中共の底知れぬ邪悪さなど、な~んにも知らず、「せっかく漢字という共通資産を持つ言語だから、ちょっと学んでおくのもいいだろう」というぐらいの軽い気持で選んだのだった。イタリア語同様、これも100%独学。2000年春の検定で、4級をゲット。届いた認定証書は下記のように、日本語で書かれた物。これがなぜか上の3つの証書と離れ離れになり、いつの間にか無くなってしまったと諦めていたのが、先月の片づけ作業の時にひょっこり押し入れから出てきたというわけである。

第12xxxxx0号
認定証書
当ブログ主

上記の者は本協会の第41回
中国語検定4級に合格したことを証明します

平成12年7月24日

日本中国語検定協会
理事長   上野惠司

―今回の記事の締めくくりとして、上記のような経験に基づく当ブログ主の考えを、Q&A形式で述べていくことにしたい。外国語習得に興味を持つ方々に、何かの参考にしていただけたらという思いからである。

Q.日本で生まれ育った普通の日本人が、勉強によって複数の外国語を習得することは可能ですか?
A.可能です。ただし、ある程度の語学的才能と、正しい勉強法が求められます。

Q.正しい勉強法とは具体的に、どのようなやり方ですか?
A.学ぶ言語の特性によって、最良の学習方法は微妙に異なります。が、外国語習得に関して最も重要なポイントを手短に言えば、「1に音声、2に文法」。これは絶対です。この2つをしっかりやらずに、本を読んで訳すような勉強ばかりに時間と労力を費やすのは、極めて愚かなやり方であると言わざるを得ません。

Q.複数の外国語をいったん習得できたら、そのマルチリンガルな状態というのはずっと続くのでしょうか?
A.それは非常に難しいと思います。「人間の脳は、使わない言葉を忘れるようにできているから」というのが、その理由です。つまり、何らかの外国語を習得したら、その後は常にメインテナンスが必要になってくるということです。でないと、脳はその言語をどんどん忘れていってしまいますから。「今日は●語の会話と▲語の文法をよくやったけど、■語と★語の勉強は不十分だった。この2つは、明日補充だな」「昨日は■語のCDを聴きながら寝たから、今夜は★語にするか。で、明日は●語で、あさっては▲語」。・・・こんな日々が、延々と続くのです。

Q.つまり、努力してマルチリンガルになることよりも、なった状態を維持することの方がはるかに難しいと?
A.そういうことです。私の場合、上に書いたような記録を達成してから、およそ2年後、語学の勉強に多くの時間が割かれるハードな生活を終わりにしました。元々好きで始めた趣味ではあったのですが、さすがにしんどくなって・・。日中は、仕事ですし。で、あれからもう10何年も経った今、当時覚えていた膨大な量の単語やイディオム、会話表現など、そのほとんどが頭の中から消えてしまっています。仏検2級、伊検3級、中検4級、そのどれも、今受けに行ったら間違いなく不合格です。TOEICも、あの当時のようなスコアはもう取れません。

Q.毎日の仕事で複数の外国語を使う人、例えば国際ホテルのフロント係とか、国際線飛行機の客室乗務員とか、そういった人たちなら、身につけた複数の言語を自然に維持できるのではありませんか?
A.そういう方たちも勿論、おられると思います。いずれにしても、多言語能力を維持し続けることに何も苦労していないというなら、その人は本当に凄い。おそらく、語学の天才です。私には、できませんでした。

―今回は、これにて。