一流のロック歌手に学ぶ、地声と裏声とミックスボイスの音質の違い。 | 音域を伸ばしたいヴォーカリスト必見!1年以内にあなたの音域を倍以上にするボイストレーニングを伝授します!

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.ヘヴィメタルのハイトーンボイスに特化したボイストレーニングを受けてきた著者が高音域発声に特化したボイストレーニングをお教えします。

こんばんは‼︎

 

ヴォーカリスト兼ボイストレーナーのKです。

 

image

 

今回は現在、世の中に溢れてる音域による発声

の違いについて解説していきます。

 

低音域はチェストボイス

 

中音域はミドルボイス

 

高音域はヘッドボイス

 

大まかにはこんな捉えられ方をしてますかね。

 

ギイーって擬音を鳴らすエッジボイスなんての

もありますか。

 

高音域で地声のような発声をするベルティング

ボイスなんてのもありましたね。

 

詳細は興味ないので知らんけど。

 

 

昨今、こんな感じで特に

 

ミドルボイス=ミックスボイス

 

このように教えてる先生も多いかなと。

 

で、これは常々お伝えしてる通りフースラーの

アンザッツを正常にリフトアップさせただけの

基本技術。

 

声の共鳴腔の通り道で言えば

 

2→1→3b→3a→5→4

 

このように理解されてる方は多いのでは?

 

別にこれは間違いではありません。

 

広い音域で歌えるようにするための基礎技術と

してはこの発声は必要。

 

けどこの発声が出来ただけではその先にある声

区融合の準備が出来た段階に過ぎません。

 

ところが現状としてこの発声がミックスボイス

だって教えてるとこ多いんですわね。

 

この発声では皆、同じような声質になりますし

無個性であるためすぐ飽きられちゃうでしょう

ね。

 

ベルカント唱法由来の本来の声区の融合はそん

な薄っぺらい技術ではありません。

 

今回はその先の手順について詳しく述べていき

ます。

 

 

早速ですが参考となる歌手を挙げた方がわかり

やすいでしょう。

 

現代でも音源の残っているベルカント唱法の代

表格の歌手でもある

 

ベニアミーノ・ジーリ

エンリコ・カルーソー

 

などでも良いのですが今回はあえてロックシン

ガーの歌声から考察していきます。

 

 

なので今回はロックンロールの神様。

 

リトルリチャードの歌声から解説しますね。

 

 

早速ですがこの音源を聞いてみましょう。

 

 

 

いやあ、すごいですね(笑)

 

パワフルなのに全ての音域で音抜けもよく鋭く

硬く響く高音域。

 

やはり神様‼︎

 

完コピできる歌手は現代の世界中のプロでもな

かなかいないでしょうし歴代の偉大なロックシ

ンガーたちであっても彼の完コピが出来た人は

ほぼいません。

 

まあ、そんなお方ですから先述したいわゆるミ

ックスボイスではこの歌声は再現不可能です。

 

・まずチェストボイスと呼ばれる低音域。

 

胸腔のみを共鳴させる純粋な地声ではこのよう

な歌声は作れません。

 

太さと強さは出せるでしょう。

 

ではありますがこのように硬く明るく音抜けの

良い母音は練り出せません。

 

もっと野暮ったく重たい響きの歌声になります

しマイクの音のりも悪い。

 

 

・次にヘッドボイスと呼ばれる高音域。

 

鼻腔とおでこと頭頂を鳴らす純粋な裏声でもや

はりこの音声は作れません。

 

ただ、地声とは真逆に明るい声のトーンと音抜

けの良い鋭さは再現できますね。

マイクの音のりも良いですよ。

 

けど圧倒的に声の硬さが足りません。

なので裏声で歌っているってすぐバレちゃう。

 

当然ですがベルティングボイスでも出来ません

よ。

ベルティングボイスは高音域へ無理矢理地声を

押し上げていくような発声なのでこのリトルリ

チャードに比べて音抜けが悪くこもった感じの

に声になります。

 

・最後はミドルボイスと呼ばれる中音域

 

唯一、近しい音色を出せる可能性があるのがこ

の音域ですかね。

 

けどこの音域も裏声と近い感じで声質のトーン

と鋭さのコピーまでが限界かなと。

 

やはり音の硬さが圧倒的に足りずリトルリチャ

ードどころかロックにすら聞こえないでしょう

ね。

 

 

さて、ここまで散々近代のミックスボイスをデ

ィスってしまいましたがアプローチ方法として

は間違っていないんです。

 

 

別に発声方法としては悪いものではありません

からね。

 

 

では何が違うのでしょう?

 

 

声区を融合する鍵は実はアンザッツ1にありま

す。

 

過去記事でも述べてますがアンザッツ1は全ての

アンザッツで最も鋭く堅い音声を練り出せる箇

所なのです。

 

ミックスボイスを習った方はおそらくミドル音

域で声を切り替えるって感覚の人が多いのでは

ないでしょうか?

 

僕も昔、一年ほどお世話になったプロダクショ

ン直属のボイストレーナーさんに

 

「チェンジ」

という用語で教わったことあります。

 

ですがこれ、あまり良くない。

 

実際に楽曲を歌っている最中にいちいちそんな

こと気にしてられません。

 

このリフトアップ共鳴はあくまで声区融合の習

得時に習う経過的な発声ですからね。

 

そのままでも歌えないことはないですが自由度

は低いです。

 

ところがアンザッツ1に声を集めるって感覚で

歌い始めるといちいち切り替えるって感覚すら

なくなります。

 

このアンザッツ1はそれ単体では非常に弱い声

です。

 

アンザッツ1の口腔内共鳴のみではかすれたよ

うな変な声になりますね。

 

エッジボイスはここで作りますがここだけで

歌うといわゆるハイラリという喉仏が上がった

状態の発声になります。

 

なんですが先述したリフトアップ共鳴のミック

スボイスが十分に身についた後にこのアンザッ

ツ1に声を当てに行くとアンザッツ1とそのほか

のアンザッツが共振状態になります。

 

低音域では2と1が

 

中音域では3bと1が

 

高音域では3a、5、4と1が

 

相互的に共鳴します。

 

声楽歌手やディオはさらにここに6も入れてま

すね。

アンザッツ6は喉仏を引き下げるのでローラリ

になり歌声に太さを出します。

 

 

アンザッツ1でそのほかの全てのアンザッツを

統合してるような状態ですね。

 

で、このアンザッツ1に声が当たっている時のみ

特有の声帯閉鎖、正門閉鎖を起こす筋肉群が働

きます。

 

これが全ての音域で歌声に鋭さと硬さを声に与

えます。

 

こうなると低音域での地声は鋭く硬く音抜けが

よくなります。

端的に言えば裏声っぽくなるってことですね。

 

高音域では元々、音抜けがよく鋭く鳴らせてい

た裏声に硬さを出すことができます。

こちらは逆に地声っぽくなると考えていただく

と良いでしょう。

 

こうして低音域から高音域まで一貫して同質の

声を練り出すことができるようになるんです。

 

で、このアンザッ1で鳴らす感覚が身につくと、

ミドル音域で声を切り替えるなんて概念すら消

失します。

 

低音域から高音域まで一貫してアンザッツ1で

歌ってる感じになるので地声でも裏声でもない

全く違った新しい声で歌ってる感覚に切り替わ

ります。

 

ですけど実際のところは他のアンザッツも作用

してるんですよ。

 

低音域では2は積極的に機能しますし、中高音

域では3a、5、4が積極的に機能します。

 

むしろここがないと薄っぺらい声になっちゃう

 

アンザッツ1で声を纏めて統合して歌声にして

る感じとでも言いましょうか。

 

リトル・リチャードの歌声はまさにこれ。

 

ロック歌手特有のシャウト唱法の原理原則も

これです。

 

 

補足。

 

今回は激し目に歌う代表的な歌手を取り上げま

したけど実はこのアンザッツ1を細かくコント

ロール出来るようになるともっと違った歌声も

作れます。

 

マイケル・ジャクソンなんかは良い例かなと。

 

男性であっても女性的な声を練り出すことがで

きるようになりますよ。

では今回は以上です。

 

 

お読みいただきありがとうございました。