こんばんは‼︎
ヴォーカリスト兼ボイストレーナーのKです。
今回は地声音域のみで歌うことを余儀なくされ
ご自身の歌唱表現に限界を感じている貴方に向
けたお話です。
ちょっと堅苦しく書きましたが要するに
キーの高い楽曲が歌えない。
ってお悩みの方向けの記事です。
今や情報が錯綜してる現代社会ですから、おそ
らく上記の悩みを抱えてる方はネット上で検索
してみた方も多いのでは？
でね大概、高音域発声のボイストレーニングに
ついて調べていくとミックスボイスって技術に
たどり着くと思うんですよ。
地声と裏声の中間音をこのミックスボイスで埋
めていけば地声から高音域までを一本の声とし
て発声できるようになる。
よく聞くミックスボイスの概念はこんな感じで
しょうか。
この考え方は概ね間違いありません。
ちなみに僕個人はこのミックスボイスって言葉
自体が大っ嫌いです（笑）
本来は地声と裏声の融合って考え方が根本の考
え方なのです。
少なくともこのメソッドが生まれたベルカント
オペラの時代はそのように考えられてました。
少し話がそれました。。。
地声音域のみの狭い音域でキーの高い曲を歌う
際に苦労されてる方って特に男性の方には多い
と思います。
これは前回記事で書いた内容にも似通ってきま
すが・・・
ご自分で歌った曲を録音して中低音部分を注意
深く聴いてみてください。
ここに全ての答えがあります。
明らかに、オリジナルの歌手と比較して声質が
重く響きも前に出てきていないはずです。
この差に気づくことがスタートです。
ここまで読まれてご興味湧いた方はこの先もお
読みください。
ではここから本題です‼︎
結論から先に申しますが。。。
これもタイトル通りです。
歌唱時に地声は要らな
い‼︎
中低音域は裏声を増幅
させて地声化させる。
これですね。
この結論を読まれて
それってつまり全て裏声でふんわり穏やかに
ママさんコーラスみたいに歌うってことかな？
と、思う方もいるかもしれませんけど。
いやいや。。。
このブログ主である僕はゴリゴリのメタラーで
すよ（笑）
そんな甘っちょろい歌唱スタイルは好みません。
とは言え、純粋な裏声ってやはりフワフワした
頼りない音質の声です。
特に中低音域ではその特徴が顕著に現れます。
初心者の方は中低音域で裏声を出すだけでも大
変でしょう。
ではそんな裏声をどうしていくのか？
これは僕のレッスンでもやってることですがそ
の裏声の音質を極限まで鋭く明るくしていくっ
て練習を行います。
ある程度、裏声の育っている方ならば中高音域
ではイイ感じに前方で明るく響く母音（一聴す
ると地声に聞こえるような声）を練り出すこと
ができます。
ただね、この先が問題。
裏声って本来、中低音は苦手な声です。
なので中高音域で出せたその明るく前で響く声
が中低音で出すのは困難になってきます。
多くの方の場合、声がひっくり返って地声にな
っちゃうでしょう。
このギャップを埋める方法論って色々あるんで
すがここで大切なのは
中低音域で意図的に地声に変えようとしない‼︎
ってことです。
明るく前で響く母音を維持しつつ減退していく
声量はそのままの裏声を増幅させるようにしま
す。
中低音域でも極限まで鋭く明るく出せる発声方
法を模索するのです。
間違ってもご自分で地声に変えようとしないで
ください。
これやると地声に変えた途端に明るく鋭い母音
が失われます。
裏声のまま頑張るのです‼︎
そりゃ最初はうまくいきませんし声もひっくり
返っちゃうでしょう。
それで良いのです。
明るく前で響く音質を厳格に守って裏声のまま
声量を増幅させるように歌っていると徐々にで
はありますが自動的に地声が入ってきます。
中低音域でも明るく鋭い母音を出そうとすると
地声の力なしには成し遂げられませんから勝手
にそうなってきます。
当然ですが最初はたくさんエラー音が出ます。
呆れちゃうくらい何回も声がひっくり返るでし
ょう。
ですが何度も何度もそんな失敗を繰り返してる
うちに良い感じに中低音でも明るく前で声が鳴
らせるポイントが見つかってきます。
それこそが本来の貴方の歌声です。
そしてその中低音域の声であれば無理なく高音
域まで登ったり降ったりもスムーズに出来るよ
うになります。
声を出してる感覚としてはおそらく全て裏声で
歌っているような感覚が一番近いです。
低音域を地声で歌ってるって感覚は無くなるで
しょうね。
コツは明るく前で響く母音でご自身の声を統一
して行くってとこです。
ここからは余談です。
この声はハーバート・チェザリー大先生の言う
ところの
ファリンジャル・ヴォイス
ってやつです。
この声はとにかく極端に金属的でキンキンうる
さいって特徴があります。
原典はベルカント唱法時代のヴォーチェ・ディ
・フィンティと同じ声ではないかと僕は思って
ます。
本来、ふわふわした柔らかい音質の裏声を上記
のような声質に変化させていきその声のまま低
音域まで下ってくるように声を統一していく。
こうするとヘヴィメタルのような爆音にも負け
ることなのない強烈な2オクターブ以上の歌声
を手に入れることができます。
今回は以上です。
お読みいただきありがとうございました。