実家から車で約2時間半は
かかる病院に入院し、
治療が始まりました。
本当は近くの病院であれば、
すぐにお見舞いに行けたのですが、
そこでは、医療体制が不十分だったため、
少しでも明るい未来があるのなら、
遠くてもよいと思いました。
私は土日になると毎週、母のお見舞いに
行きました。
母はもともと明るい性格で、
自分がしんどいときでも、
笑顔を絶やさない人でした。
ですが、治療が進むにつれて、
その笑顔が少なくなり、
辛い表情が増えていきました。
あと、食欲も落ち、
食事の時間になると、
食事が運ばれるカートの音さえ
嫌になっていました。
『また、ごはんかぁ…』と。
食べたくないけど、
食べないと元気が出ないかもと
無理に食べている母の姿を
見るのも辛い時がありました。
でもある日、母が
『玄米のおにぎりが食べたいな…』と。
そう、玄米は我が家の主食でした。
玄米を食べると不思議と元気が
出るんです。
私も子どものころから、
(厳密にいうと母のお腹にいるころから)
玄米を食べているので、玄米の良さは
知っています。
なので、玄米のおにぎりを持って
行きました。
『おいしい…』
久しぶりに母が笑いました。
