facebook グループ ホン友!のイベントで

6/14水曜日 大阪市内で ビブリオバトルが開催されます。

 

実は、私もエントリーしているんです。

 

ビブリアバトルの公式ルールに乗っ取って開催するらしい。

 

ちなみに公式ルールは下記の通り

・発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる

・順番に一人5分間で本を紹介する

・それぞれの発表後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う

・全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い、最多票を集めたものを「チャンプ本」とする

 

今回は、主催者からテーマはスポーツに関連したものにしてくださいということでしたので、

私が選んだのは、この本

 
 

  

この本は、中学校の駅伝をテーマにした青春感動小説です。
この中学は県大会に出場している それなりに強いチーム

ただ、鬼コーチの隅田先生が突然の人事異動で、次の陸上顧問は なんと運動のことを全くわからない美術の20代後半の女性の教師である 上原先生
今年の県大会出場に黄色信号が灯る
 
ただ、この上原先生 陸上はわからなくても真面目に何事も取り組む先生 そして生徒の気持ちは結構理解する能力がある。
 
中学校対抗駅伝は、6区間18kmで争われる
部長はしっかりもの枡井 3年生
陸上部でまともに走れるのは、気が弱く自分に自信を持てない設楽3年と 2年の素直な性格の俊介の3人のみ
後の3人は、陸上部以外から集めることになる
集まったのは、不良の大田
人が良いみんなを明るくするジロー
芸術家的な人間で、人の輪の中に入ることを好まない渡部が選ばれた

それぞれ最初は断り続けていたが、枡井や俊介上原の話を聞くうちに、心が動かされる
人の役にたつことをたまにはやってみたいとか、これが自分が変われる最後のチャンスだとか様々な理由で。

物語は、最初 枡井の目線からスタートし、
その後、区間ごとのメンバーの視点で話が展開していく
 
1区 設楽 
2区 大田 
3区 ジロー 
4区 渡部 
5区 俊介 
6区 枡井
 
同じ出来事が、それぞれの視点で映し出され、最初はなんとなくの理解だったものが、2人目 3人目となると深いところまで理解出来て行く。

そういう手法で話は進んでいくから、後半になればなるほど面白いし、感動的だ。
 
例えば 設楽は大田を小学校のころから怖がっていたので、設楽から大田に話かけることなどまずなかった。
いっぽう超不良の大田は 女の子と設楽だけはいじめることはなかった。
設楽は、自分がいじめられない理由を、自分なんていじめりに値しない弱い奴だからと思っていた。
しかし大田は、設楽を唯一尊敬していたのでいじめなかったわけだ。
運動神経抜群の大田が子供のころ唯一かけっこで負けたのが設楽だったからだ。
だから、自分に話かけてくれない設楽を 大田は 自分のような鈍足なんて眼中にないからだと思っていた。
設楽は怖くて話かけれなかっただけなのに。
そんな二人が駅伝の練習をずっとしていくうちに、お互いの思いを理解しあっていく。

そういうドラマがいたるところにある。

優等生 枡井が調子を落としていた理由が6区の話の部分で出てくる 彼の強さ 優しさ そして人間らしさが浮き彫りになっていく。

各章で各区間のレースシーンが見事に描かれているが、最終章ではアンカーの桝井のレースシーンが他の区間にくらべ約3倍も長く書かれていいる。
走りながら桝井は仲間のこと先生のこと家族のことを考え前にすすんでいく。

中学性なんだから 一人一人 みんな悩みや問題を抱えている。
しかし、自分のプライドや仲間を思う気持ちで弱いところを見せようとしない。
各章でその辺がどんどん紐解かれて言ったが、最終章で一気に全員の思いが繋がっていき、読んでてどんどん感動を覚える。

最後は、桝井と上原先生のやり取りで終わるが、上原先生は、生徒のことを理解しわかっていたことが描かれている。
優等生桝井への厳しい愛ある言葉は、本当に感動を覚える。

最初は確かにバラバラだったかもしれない。
しかし一人一人がどんどん成長していく。
みんな仲間のために自分の力以上のものが出している。
 
「あと少し、もう少し」
もっともっともう少し前に進めることが出来ている
そういうことを一人一人が駅伝を通して体験し、強く優しくなって行った。



この小説を読んだ 三浦しをんがこう言っている

青春小説の傑作などと、よくある表現は使いたくない。
しかし、たしかに 傑作ちおうほかない作品だ。


 
 
「あと少し、もう少し」 瀬尾まいこ著
 
この本は 傑作だと私も思う。
 
ビブリアバトル こんな感じで話を進めて行きたい!

読みたくなった???(笑)