「大切な方を亡くしたあなたへ」 | 脳腫瘍(小児脳幹部グリオーマ)七奈子の闘病記

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2013年8月30日☆☆娘の七奈子は、3歳10ヵ月で天国へお引っ越ししました☆☆病名は、脳腫瘍(小児脳幹部グリオーマ)見守ることしかできなかった10ヵ月の闘病生活と共に、今のワタシの気持ちを綴っています。

グリーフケアの第一人者、高木慶子先生講演会に行ってきました。

ストーレトなタイトルで、ちょっと目を背けてしまいたくなる方もいらっしゃると思いますが、私にはドンピシャで、タイトル以上に素晴らしいものでした。

葬祭関係者のイベントで興味があったので知り合いの方に頼んで、お仲間に入れさせてもらい、午前の部・午後の部と別のタイトルの講演会をお聴きすることができました。

午前の部「悲嘆力を養う」

悲しみを乗り越えた人々の魅力、と言うサブタイトルがついていました。

皇后美智子さまが、「橋をかける」で、紹介され、有名になった新美南吉著『でんでんむしのかなしみ』の内容から始まりました。短い内容で児童文学では有名なので皆さんご存知の方が多い作品です。

「イッピキノ デンデンムシガ アリマシタ」から始まるお話しで、自分の殻にたくさんの悲しみが詰まってるので、他の友だちのでんでんむしに「もう、生きてはいられない。」というと、「あなたばかりではありません。わたしの背中にもたくさんの悲しみが詰まっています。」と言うのです。それでは仕方がないということで、別の友だちのところにも行って訪ねましたが、どの友だちも同じことをいうのです。
そこで、でんでんむしは、悲しみは誰もが持っていることに気づきました。自分ばかりではない。自分は自分の悲しみをこらえていかねばならないと思い、嘆くのをやめたのです。

私は、ナナがお空に旅立ってからこのお話しを知りました。当時は、同じ経験者の方に出逢っても自分が一番不幸だと思っていた私だったので、解釈ができませんでした。高木先生は、優しい眼差しで悲しみは、悲嘆は死別だけに限りません。大なり小なり、その方なりの悲しみなのです。決して比べることはできません。と、仰いました。

なんでやろう?
なんで私だけ?
一人っ子やのに、兄弟児おらんのに、夫婦関係良くないのに、同じちゃうやん。
悲しみ同じちゃうやん。

昨年までずっぅと思って生きてきました。

今なら、ようやくこのお話しを受け入れることができる。高木慶子先生の仰ることが沁み入りました。

「悲嘆力」
今、悲嘆の渦中に居る方は、激しく傷つき、出口も見えない暗闇の中を必死になって助けを求めていることでしょう。でも安心してください。人は誰でも遭遇した悲嘆を乗り越える力を持っていることを信じてください。(角川書店:悲しみの乗り越え方より)

この悲嘆力から、悲嘆する前よりも成長回復する方々が多数いらっしゃること。悲嘆の大きさが深ければ深いほど、悲嘆を経験する前よりも、もっと成長する力があることをグラフを参照して説明して下さいました。悲嘆力を乗り越えて魅力的に生きる人々は、輝きが本物であること。自分の苦しみ、人の苦しみを無駄にしないこと。

目からウロコとは、このことやと思いました。乗り越えることなんてできなくて受け入れることで精一杯やと思っていたけど、自分なりの乗り越え方があるんだという事を学びました。

午後の部「大切な方を亡くしたあなたへ」

午前の部と重複するところはありましたが、もっと深く先生の体験談をお話しくださいました。

ある方が、長年連れ添ったご主人を亡くされました。同じマンションで数年前に子どもさんを亡くされた方に自分の気持ちをわかってもらえるかと相談したところ、伴侶は血が繋がっていない。子どもは自分の分身だ。一緒にしないでほしい。と一方的に怒りだけで会話を返されたという。

私としては、少し分からないと言う話しではなかったのだが、一方的に怒り、と言うのは違うかなと思った。

先生曰く、数年前に子どもさんを亡くした方の「お辛かったですね。」の労りの言葉が、気持ちがないのが残念だと仰いました。そして、この子どもさんを亡くした方ご自身のグリーフケアができていない。
    グリーフケア(ぐりーふけあ)とは、身近な人との死別を経験し、悲嘆に暮れる人をそばで支援することで、悲しみから立ち直れるようにすること。 グリーフ(grief)とは、深い悲しみを意味する。 相手に寄り添う姿勢が一方的に励ますことよりも大切であるとされている。
    自分のグリーフケアができていれば、そういった発言はしないでしょう。
    「この場に来ている皆さまには、労りの言葉を投げかけてください。きっと、あなた方ご自身にもその言葉は返ってきます。」と、仰いました。
    最期を看取った方、看取ることができなかった方の違い。
    病死、自死、災害、殺人…
    遺された方の違いは、この会場では説明ができないほどで、先生ご自身も看取ることができなかった遺族の方とのワークは、毎回気が張ってるとのことでした。
    経験したものでないと分からない世界。私もヘタに語れない。でも、大切な人を亡くしたことは同じ。
    きっと、長い長い年月がかかると思うけど、そこを抜けるととてつもない悲嘆力からの脱却、さらなる成長があると先生の講演会を一日受講させて頂いて感じることができました。
    高木慶子先生は、小柄で優しい声で話される印象でしたが、終盤には大きな大きな存在感たっぷりの女性でした。素敵なご縁があり、最高の一日を経験させて頂いて、感謝の気持ちでいっぱいです。
    受け入れることができる自分になったから巡ってきたご縁やと実感してます。
    「大切な人を亡くしたあなたへ」
    大丈夫。大丈夫。
    今は、暗闇で何もみえないかもしれない。
    時間とともに穏やかになってきます。
    時間とは、時計の時間ではありません。貴方の感じる時間です。
    光がみえなくても、大丈夫。
    いつか、いつか…
    あなたなりの納得できる気持ちのもちようで
    大切な人のことを心から穏やかに思えるときがきっとくるから。
    だから、大丈夫。
    大丈夫だよ。
    パパ♡ママ♡
    ナナちゃんママが、立証します。
    がんばらないで。
    泣くことがまんしないで。
    大切な人は、いつもあなたのそばにいます♡
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