2013年4月1日より入院。
翌日より、ICE療法4コース目開始する。
治療3日目より、今までみたこともないような辛そうな顔で、「ママ、しんどい。」と訴えるので先生に報告すると、「抗がん剤の治療中であり、それなりの治療をしている。子どもによっては毎回ぐったりになることもある。今回きつくても次回はきつくならない時もある。」との説明を受ける。
いつもなら、治療中でもプレイルームで遊ぶし、食欲も全く減ることはなかったので心配になったが身体に毒が入ってる訳だから、しょうがない。残り2日の治療を終えるまで頑張ってもらうしかない。
治療4日目。
シャワー浴をするもの無理なくらい辛そうにしている。午前中に一回だけプレイルームに行ったがそれ以降ベットから起き上がることができないので、シャワー浴を中止して清拭だけ行った。
食欲もほとんどなく、かろうじて水分は摂取できている状態。
治療5日目。
昨日と変わりなく食欲はゼロに近い。水分摂取は少し減ってきている。
土曜日だったので、お昼からは主人と交代して、ナナが少しでも口にしてくれるものを買い出しに行った。
今日で治療終了だから、食欲もでてきて回復するだろうと思いながらバナナ・パイナップル・桃のゼリー・ブドウのゼリー・お菓子・期間限定だったミスドのキティーちゃんのドーナツ等々。気分転換のゆめタウンの買い出しなのに、必死になって食料品売り場をうろついていた。
19時前後から、左肩が痛いといって一時間近く泣きだすのでナースコールするが土曜日で当直の先生しかおらず当直医が一時間後に来た時には、泣きつかれて寝てしまっていた。
しんどいと訴えてから4日目。
肩の痛みは、言わなくなり、昨日よりは体調も少し良さそうなのでシャワー浴を3日ぶりにする。
食欲は変わらずなので「エルネオパ」を入れてもらう。
しんどいと訴えてから5日目。
食事前に体重測定をし、朝の服薬を済ませた9時~10時の間に日中の看護師さんがまわってくる。
月曜日の朝から、もうぐったりしていて体重測定どころではない。しかも、週に3回ある採血もあり、CVを入れてるにも関わらず腕からしか毎回採血できないナナは、朝から泣いていた。子どもが、ぐったりしてべっとから起き上がれず寝ているにも関わらず、体重測定を二回催促されキレた。
「もう少し寝かせておけませんか。採血でさんざん泣いてやっと今落ちついてきたところなんですけど…。」 結局、一時間後に抱っこして測定したけど、イライラのピークが迫りつつある自分がいた。
しんどいと訴えてから6日目。
昨晩も2時間ごとに起きて親子でほとんど睡眠がとれず。発熱なく風邪でもないのに鼻声のナナ。
嘔吐もあり痛みもあったのでナースコールするが、痛みどめをもらうぐらいで特に何かをしてもらうこともなく22時ごろ、O先生より尿が昨日に比べて半減しているので膀胱留置カテーテルを入れると言われストレッチャーにて処置室へ運ばれる。鼻から酸素チューブ・モニターもつけられ、また採血もされ、再燃?再発?転移?を疑い始める医師たち。不安でたまらなくなったので主人に電話するがでなかったのか、週末は出張があると言われたのが忘れたが、全く頼れることができずに実家の母に助けを求める。
しんどいと訴えてから一週間。
「しんどい。しんどい。」 もう、それしか言わなくなる。明日緊急でMRI撮影することになるらしい。
まともに寝てないし、大部屋だから日中はカーテンを閉めっきりで、再発の不安が一気に襲いかかる。
N先生に相談すると、再発ではこういう症状がでないんだけどな。と先生も分からない様子だった。
少し前から担当になったN先生は、自分も子どもをもつ一児のパパだ。大学病院には似合わないおっとりした優しさがある。昨日に引き続き今日も嘔吐あり。
しんどいと訴えてから8日目。
顔の浮腫みがでており、痙攣をおこしそうな嫌な予感があり、ナースコールをすると看護師がさらにコールを押して、数人の看護師・医師が入ってきた。「もう、アカンのかな…。」
覚悟は全くできていなかったのだが、一週間以上も辛そうなナナをみるのが限界やった。
このときのカルテには以下のことが記載されている。
意識レベルの低下はないが、傾眠がち
頚部から頭部にかけての浮腫持続、増強なし
四肢や腹部には浮腫はみられず
呼吸はやや努力様、肩呼吸はなし
酸素1.5ℓ/分 鼻カニューラにて投与し、呼吸困難の訴えはなし
肺Air入りは両下葉にてやや弱い
肺雑音はないが、咽頭部付近で鼾様の狭窄音を認める
咽頭にもやや浮腫を来しているのか、やや舌根沈下気味か
尿混濁なし
肉眼的血尿なし
【胸水貯留か。】
朝のバタバタが少し落ち着いた頃に、母が来てくれた。昼に、主人も来たけれど不信感の溝は埋まらず。
15時 MRI検査に続き 17時 胸部レントゲン撮影。
鎮静剤が効いてるようで病室に戻ってきたときにはぐっずりと眠っていた。
主人にナナをみてもらい、母と二人で一階の喫茶ルームに行く途中にS君ママに廊下であう。
S君もナナと同じ病気で、腫瘍の画像をお互いに見比べながら一緒に頑張ろうと励まし合ってきた仲間だ。今回のことも軽く話してたので、廊下ですれ違った私と母をみたときに、何も声をかけれなかったと後から語ってくれた。同じ病気の仲間だと、同じ経過を辿るかもしれないときっとママも不安だったはずだ。
母とコーヒーを飲みながら、再燃を覚悟しつつナナのいる病室へ。
O先生とN先生が待ち構えたようにナースステーションからでてきて、カンファレンス室へ案内される。結果は、「腫瘍の大きさは前回とほぼ変わりありませんでした。が、胸部レントゲンにて胸水が溜まっており、今回はこれが原因だと思われます。」
もう、全身の力が抜けて安堵感がするとともに、聴診器をあてて一体何人の医師や看護師が行い分からなかったのだろうか。しんどいと訴えてから6日目の風邪でもないのに鼻声になったときは溺れている状態だったのに、誰ひとり気付かないのは何故か?聴診器をあてることは儀式なんじゃないか?
もちろん声にだして言ってはいないが、大学病院に入院していたとしても我が目で我が子をしっかりと診てあげないといけないかもしれない。
緊急で、ナースステーション前の個室に入ってる方と交代してもらいました。
N先生より、今回の【胸水貯留】に気づくことが遅かったことに対して謝罪を受けた。
本来なら謝ってはいけないのだろうが、この先生らしいし逆に、好感がもてた。
こちらこそ、先生たちが良しくて下さってのを見てるので、上記のようなことを思いながらも、これからのナナの治療を宜しくお願いします。と、頭をさげた。
医師だって人間だから仕方がないことだから、今後に役立ててほしいと思う。
今回の原因は追究中とのことだが、CVの感染が一番疑わしいらしい。
ナナのことがあってから、先生方や看護師さんたちの聴診器時間が倍ぐらいになったらしいのと、CVのガーゼの交換も以前より交換頻度が早くなったようだ。
ナナのような辛い思いをする子どもが少しでも、いなくなってくれることを祈りたい。
頭の原因前回のMRI検査結果が、少し拡大していたからだと思われていたんだと思う。
ナナの病気の脳腫瘍に関しては、播種はしにくいと言われているから、どうしても頭に原因があると考えられてしまうのだろう。とにかく、生きてくれて本当に良かった。