・後悔と・・言い分け と・・
二十五歳の若さみなぎる彼の身体。
由香のすべてを愛するがあまり、幾度となく体位を変えては二度・三度と女体の
奥深くへと精を放った彼。
精根つき、横たわる彼の腕の中からそっと抜け出した由香は、絶頂感の残る気だる
い身体にムチ打つかのように起き上がると、シャワールームへと歩き出す。
” 愛欲に浸る男と女 って、、誰もが あのようなセックスをするのだろうか ”
背には滲む汗を感じながらも、素肌にうち当たる男の身体 。
若くて、愛し合う男と女とが居る環境ともなれば、時にはあのような激しいSEXとなることも、、分からなくもないのだが・・
新婚夫婦でもある 綾乃姉さんたちも あのように激しく愛し合っているの??
お姉さんたちも やはり、夫婦だもんね。あのような時には燃え上がる
ような SEXもあるはずだわ・・。
でも、 私 たちって、・・結婚している 訳でもないのに・・。
誰にも言えない 男と女の ・・秘密の出来事。
二人でのディナー から、あのような 綺麗な夜景を眺め、、その流れから・・
彼から与えられた愛撫に とろけてしまうかのような由香の身体。
夢の中の出来事のような彼との セックスは・・身体の奥深くまで染みわたり、今だ
に消えることなく身体に残る 違和感。 ・・ああ・・ 。
後悔の 文字だけが 見え 隠れし・・言い分けの言葉を探し始める 由香の身体。
でも、 ” 私 たち・・結婚 するんだもん・・”
ぬるめのシャワー を浴びながら、手のひらにソープをプッシュ する由香。
幾度となく流し終え、シャワーを止め振り向くと、背後には 彼が立っている。
とっさのこと、乙女心の表れか、、あまりの気恥かしさに 胸の前で腕を交差させるも
・・ 眼の前に差し出されたバスタオルを手にした由香は、すぐに身体に巻きつけ・・
「 あ り が と う 」 の 言葉とともに 洋介とバスルームを入れ替わった。
ホテルでの夕食に合わせたかのような うす化粧。
由香の身体を包み隠す 淡いバイオレット色の下着。
身体に合わせた素肌色のセクシーストッキングを、品よく白色のガーターベルトに
掛け止めると、それを 覆い隠す白いキャミソール。
臙脂色のブラウスに、オフホワイトのトップス。
・・ 淡い若草地のプリーツスカートには小さな花柄模様。
等身大のドレッサーの前に立ち、クルっ と回る、と、大きく広がるスカートから覗く
白い足が伸び、そのスタイルは悩ましくさえ映る。・・彼は お気に召すかしら・・
由香にすれば、ヒップからの身体のラインが強調されていないことに・・
少しの不満を覚える。
ロゴ 入りのバック を手にし、由香がベットの有る方へと出ていくと、
彼は、窓一面に広がる 煌めく夜景を眺めていた。
「 お ま た せー 」
洋介は その声に振り返り、、装いを済ませたその女性を見ると・・なんと、
その人は、昨日の彼女とは見ま違えるほどに綺麗にも見え・・
それは、、どうしたことか と 洋介は思いを馳せる。
・・それは笹井先輩からの教えと・・あの体験が心に残り、愛する人に想いをこめて
結ばれたことで自身も本望を遂げることができ・・彼女も満足を得る様ることができたのだろうと・・・
ほんとうに ” きれいな人” ・・・男からの愛情を込めた性的な交わりによって、、
深く 満足感を感じ・・受け入れた女は、心からの満足と予期せぬほどの絶頂感を
味わって・・逝き果て、、震えるほどのアクメを感じ得たからこそ、このように綺麗で素敵な女に・・ 生まれ変わったのでは ・ ・、 女って・・こうも・・
だが 、 それは、
彼女の身体を、我がものにした男の欲特の眼から見た、身勝手な男の ”眼”なのかも
知れないのだが・・
男にしても満足することのできたSEXであったことは、確かなのだ。
あれほどにも身体を震わせ、ゆがむ顔からは絞りだすかのような喘ぎを幾度となく叫び、、初めて逝き果てる不安からか、、あまりの心地良さからなのか・・男の身体にしがみついては背に爪を立て・・
男からの ”あ り が と う” のキスに ようやくのこと、力も抜けて 横たえた身体。
これほどにも妖艶とも採れる綺麗な・・大人の女に生まれ変われるものだろうかと・・。
「・・素敵な由香ちゃんが 出来上がったね。 ディナータイムは 7時 と言い 伝えて
あるのだけ ど・・行ってみようか」
ウエイトレスに案内された そのテーブルは、大きく開かれたガラス窓のすぐ傍の席。
窓の傍に 並んで立つ 洋介と由香。
「 わぁー 綺麗ぃー・・」 思わず感嘆の声をあげる由香。
「みなとみらいの夜景は いつ見ても最高ですねっ」
由香の身体を身近に感じた洋介は、、彼女の腰に手を回し・・少しばかり
下げた手先は 由香のヒップにタッチするも・女は、彼の手を意識はするも ・・
” 愛する男の手 ” と、微笑みを持ち 拒否することなく応えている。
「お飲み物を お持ちしますが・・いかがでしょうか」
「由香さんは、ワインか シャンパン 、どちらがいいでしょうかね」
「洋介さんは?・・私は、ワインを お願いしましょうか ・・」
丸いテーブルに向き合って座る由香と洋介。 ウエイトレスが引けた頃合い。
洋介はバックから 小さな箱 を取り出すと・・由香の前に差し出す。
「・・えっ・・なーに??・・ 」 と 洋介の顔を窺い、、
ピンクのリボンで・・ 交差に結ばれた小さな箱。
「 開けても いい ?」 ど う ぞ・・。
赤く植毛されたその箱。 由香の細い指によって ゆっくりと開かれ・・ その中には
白く 光輝く プラチナリング。
淵には 波打つ模様。。センターには ”キラッ” と光るダイヤが 等間隔にはめ込ま
れている。
「 エッ これって・・」
「ええ・・婚約指輪です 」
「 由香さん、僕と結婚してください。お綺麗で、素敵な貴方が好きになりました。
・・それに、 身体の相性の 方も ・ ・」
「近日中に お父さん お母さんに ご挨拶に 伺います」