いつものように天は平手に悩みを言っていた。
天
ユリ姉〜最近さぁ、、ユイが私を避けてる気がするんだけど、、、私、何かしたかな?
平手
、、、笑笑
そう言うのは本人に聞いてくれる?
天
だって、部屋から出て来ないんだもん。
平手
じゃぁ、具合が悪いだけじゃない?
天
私も最初はそう思ったけど、私が家を出た後に部屋から出てるみたいなの。
平手
なぜ家を出た天が知ってるの?笑
天
だって私が散らかした服とか机周りとか綺麗になってるんだもん。
そんな事してくれるの、ユイしかいないし。
平手
、、、笑笑
じゃぁ扉を蹴り破って入りな。
天
ユリ姉じゃぁ無いんだから、そんな事出来ないよ!
あぁ〜私がもっとユリ姉みたいな強引で頼れる人だったら、ユイも何か言ってくれるのかなぁ。。。
平手
笑笑
とにかく、悩んでないで早くユイの所に行きな。
天
それが出来たら、悩んでません〜〜、、、。(-_-)
天がウジウジ悩んでると、平手は小さな小瓶を天に渡した。
天
何?これ?
平手
それは魔法の薬です。
それを食べると貴方は生まれ変われます。
天
大丈夫?
ユリ姉おかしくなったの?笑笑
平手
この薬は、あなたの辛さを和らげます。
この薬は、あなたに勇気をくれます。
この薬は、あなたに力をくれます。
平手があまりに真剣に言うので、瓶から取りだし、食べると口一杯に優しい甘さが広がり、ハーブの様な香りが広がった。
天
飴、、?てか、、凄く美味しい飴だね。
初めて食べた味かも。
平手
笑笑
それはね、飴職人が病気の人達の為に考えた飴なの。
普段辛い治療で、頑張ってる人達の息抜きになれたらって砂糖の量を減らして、リラックス効果がある香りを練り込んだ飴なんだよ。
天
へ〜そうなんだ。凄いね!
なんだか、私も元気になってきた気がするよ!
平手
笑笑
それはね、プラシーボ効果だよ。
天
何それ?
平手
人はね、思い込みで病気すら治せる事があるの。
これは、ただの飴。笑笑
でも、魔法の薬だと思えば、
本当に力をくれるかも。
天、この薬はあなたに力をくれる。
早く、逢いに行ってきな。
天
なんか力が湧いてきたかも笑
ユリ姉、ありがとう!行ってくる!
天が急いで走って行く後ろ姿を見ながら、
平手は思った。
(運命は時に残酷だ。
何も起きなけばいいな、、)
家に着いた天はユイの部屋に一目散に扉をノックした。
天
ユイ!天だけど、部屋に入っていい?!
中からは返事が無く、天は扉を開けた。
天
ユイ!?居ないの?
あれ、、、?居ない。何処にいったのかな
部屋の何処を探しても居ないので、自分の部屋に戻る事にした。
天
しょうがない、、
帰ってくるまでまた、勉強するか!!
すると、突然ベッドがモゾモゾと動いた。
恐る恐る覗くとユイが天使のような寝顔で寝ていた。
天
びっくりした、、、
ユイが私の部屋に居るなんて、いつぶりかな。。
ユイの顔を久しぶりにじっくり見つめると、涙の後があった。
天
ユイ、、、泣いたの、、?
私の知らないところで泣かないで。。。
(いつも、私の居ない時に部屋に来てたのかな。)
天は自分のベッドに入り、後ろからユイを抱きしめた。
(ユイ、、、私のたった一人の家族、、
私のたった一人の愛する人、、、)
天は少し強くギュッと抱きしめ、つぶやいた。
ユイ、、、愛してる。
天はそのまま瞳を閉じ一緒に眠りについた。