トラン・アン・ユン監督の映画理論 | 早大生のポイント映画感想文

トラン・アン・ユン監督の映画理論

うちの大学の(たぶん)看板授業に安藤紘平先生のプロデューサー特論ってのがあります。人気がありすぎて履修するのも一苦労、「もぐる」生徒がたくさんいることでも有名な授業です。

っで、その授業が12・9に大隈講堂で公開授業をやったんです。

この公開授業のゲストがやたらと豪華で、『ノルウェイの森』のトラン・アン・ユン監督とプロデューサーの小川真司さん犬童一心監督がゲストとして来ました。っでさらに!授業の後半には松山ケンイチもやってきたから、うちの大学もたまには粋なことをするものです。僕も女の子に混じってきゃーきゃー言ってしまいました。もうかなりのイケメンでしたよ…!

授業の詳しい内容については『ノルウェイの森』の感想の時にでも書きます。今回はトラン監督が話した映画論がとても興味深かったんでその話を!




$早大生のポイント映画感想文-トラン監督
ベトナム系フランス人。代表作は『青いパパイヤの香り』(カンヌ・カメラドール賞)、『シクロ』(ベネチア・金獅子賞)など。かなりのイケメンではじめ見たときは俳優かと思った(笑)

そんなトラン監督ですが、こんなことを言っていました。
(通訳の方の訳に僕が若干手を加えています…ご了承!)



「映画には3つのレベルがある。レベル1がストーリー、2がテーマ、3が映像表現。1に限界があるから2を定め、1と2を伝えるものとして3がある。そして、3がいちばん映画作りで難しい」



ちょっと補足するとこんな感じです。

レベル1&レベル2
映画の根幹にはストーリーがある。しかし、2時間という時間的制約の中で1つのストーリーを語り切るのは困難であるために、テーマを設けてそのテーマの中にストーリーを終着させる。

レベル3
といってもレベル1と2だけだと、2時間で読める漫画や小説と変わりない。映画には映画にしかできない表現、映像表現(レベル3)があり、これを以てストーリーとテーマに彩りを与える。そして、この映像表現が映画の本質である。




これは、僕が映画の感想を書くときに大いに役立つなぁと思いました。トラン監督の3レベル理論に沿って映画をみれば、直感で感じる「映画のおもしろさ(つまんなさ)」の原因がよくわかるからです。

「なんであの映画はつまんなかったんだろう?」と思ったときは、3つのレベルの内のどれかに問題があるということになります。僕が以前、岡村隆史主演の『てぃだかんかん』を散々disりましたが、今読み返すと「テーマ不在」と一言でつまらなさを片付けられます。いやぁーもっと早くこの理論を知りたかった…!




というわけで、トラン監督の映画理論についてでした。みなさんも参考にしてみてはいかがでしょうか!?自分の感情を自分の考えにすることができますよー。