大相撲秋場所12日目、全勝の横綱・朝青龍と1敗の横綱・白鵬は
そろって白星をあげ、追う2敗同士の対決は小結・把瑠都が大関・
琴光喜を下し2敗を守った。把瑠都はこれで今場所、5大関総なめを
達成したことになるが、当の本人は「ふーん。すごいの?
狙っているわけじゃないんですけど」と意に介さない。
関脇以下の力士による5大関撃破となると、実に昭和61年春場所に
保志(のちの横綱・北勝海)以来史上2人目の快挙となる。
把瑠都は秋場所前、決して万全ではなかった。新型インフルエンザ
に感染し、夏巡業の終盤は休んでいる。しかし、結果的にこの休養が
幸いしたのか、慢性化している左ひざの痛みがやわらいでいるそうで
「幕内になってから、これほど調子がいい場所はない」と
手応えはつかんでいたという。
ちなみに、23年前に5大関を総なめした保志は、その場所で
悲願の初優勝を達成している。しかし把瑠都自身は朝青龍とは
星2つの差がついており自力優勝の目が消えていることから、
「あと3日間がんばります」と欲はない。
優勝うんぬんは意識していないだろう。
なにしろ、仮に決定戦にもつれこんだところで
横綱に勝てないんだから。朝青龍にも白鵬にも。
朝青龍には立ち合いにつっかけるくらいの気持ちで早く立つ、
白鵬には変化してでも先に左の上手を取るくらいの気持ちで
ぶつかってほしい。一度でも勝てば、相手の意識も変わるはずだ。