ドクターD(乳腺外科医)と入れ替わりで

看護師がドレーンの説明にやって来た

 

カナダで全摘手術する場合、基本は日帰り

同時再建手術を受ける場合も3日ほどの入院後

ドレーンを付けたまま退院となる

 

待っている間に

”やっぱり全摘にしよう”と決めた私は

その事を看護師に伝え、形成外科医との面談も必要ないと伝えた

 

ナースは驚いた様子で

全摘??本当にそれで良いの?

あなたが自分で決めた事なの?

手術が怖いからなの?

 

私はちゃんと将来を考えた上で決断したと伝えたが

「これだけは言っておきたい」と再建手術について説明した

  • 全摘後に気が変わった場合、3〜5年待ち
  • 新型コロナウィルスの影響でかなりの人が順番を待っている状況
  • 再建手術はガン患者を優先する為、私にとってはチャンスであること
  • ガン患者は州の保険制度でカバーされるが一般だと高額であること
  • 実際、患者の中には全摘した後に再建を希望する人がいること
  • 手術が終わってガン腫瘍が無くなれば優先順位も変わって気が変わる可能性 などなど。。。
最終的に決めるのは私自身で、その決断は尊重されるべきだと続け
数日考えてみたらとアドバイスをくれた
 
そして最後に、他の先生達も素晴らしいと前置きした上で
「個人的にはドクターDとドクターVは人間的にも医者としてもベストだと思う」と太鼓判を押した
 
やっぱり話だけ聞いてみることにした
 
手術衣を着たままベテラン風を吹かせて現れたドクターVは
まずは質問事項から入り、私の腹と背中の肉の付き具合をチェックした後
ギリギリ腹の脂肪(自家組織)が使えるのと、インプラント(シリコン)での乳房再建が可能だと判断した
 
自家組織を使って乳房再建 メリット・デメリット
  • 仕上がりが自然
  • 触った感触も自然
  • 邪魔な腹の脂肪を切除できる(タミータック)
  • リカバリーに時間がかかる(4週間)
  • 痛みは薬である程度まで軽減可能
  • 確率は低いが手術中に輸血が必要になる場合あり
  • 下腹部(左右の腰骨間)に大きな傷が残る
  • 傷は下着で隠れる位置
インプラントを使って乳房再建 メリット・デメリット
  • リカバリーが短め(2週間)
  • 全摘の傷以外なし
  • 皮膚を拡張させるためにエキスパンダーを入れる必要があり2回の手術が必要
  • 胸の筋肉の下にシリコンを入れ膨らみを出す
  • シリコンは永久ではないのでいずれ交換が必要になる
  • 片胸だと将来的に左右非対称になる可能性あり
  • 確率はかなり低いがリンパ腫になる可能性あり
乳頭は皮膚とタトゥーで人工的に作ることが出来るらく、仕上がりはとても自然らしい これは手術後、将来的にとの説明だった
 
ドクターVは最後のオプションとして、全摘手術時にまずエキスパンダー(皮膚拡張器)を入れ、術後に気が変わった際は、2度目の手術でシリコン(Tissue Expander)ではなく自家組織を使った再建手術(Tram)も可能だと語った 
 
私は全摘手術後に放射線治療を控えていたが問題視されなかった
 
ドクターVはとても柔らかな雰囲気で彼女の英語はクリアでとても聞き取りやすい
 
この日10月12日はたまたま『Breast reconstructive awareness day』(
乳房再建啓発デー)で、乳房再建手術を受けた人 これから受ける人 そして専門家によるセッションがバンクーバーの総合病院で行われるということで、私も参加してみないかと聞かれたが、抗がん剤治療後4日目でケモブレインだったことと、全摘手術の説明だけでも情報量の多さに圧倒され理解が追いついていない状況だったため辞退した
 
もし参加していたら選択が変わっていたのかもしれない。。。うーん
 
取り敢えず数日考えさせてもらうことにした
 
ここから寝ても覚めても乳房再建について考える日々が始まるもやもや
 
地元のテレビにも出演経験があるドクターV