突然、一通のメールが届いた
ナンシーと名乗る女性からで彼女はステージ 3の乳がんサバイバーであり
私の義姉から私が化学療法を受けていると聞き連絡してきたらしい
”私たちは乳がんと闘うすべての人々を大きな家族の一員と考えています”
”一人でいるときは重荷のように感じるかもしれませんが私たちは皆それを乗り越えてきたのであり、それは打ち負かすことができるという希望と前向きな信念を持ってほしいと思っています”
”日本語を話せる乳がんサバイバーの一人にあなたと連絡を取るように頼んだのですが、もう電話で話せていますか?”
”私たちはここにいます。質問または前向きな考えが必要な場合は、お気軽にご連絡ください。私たちのチームの写真を送ります。喜んでいただければ幸いです”
そう言えば義姉の友人が日本人の乳がんサバイバーを知っていて一度話してみないかと言われていたが「その気になれない」と断っていたことを思い出した
そして添付された写真がこちら
”何か真ん中にボード持ってるな”と写真を拡大して ひっくり返りそうになった
それはそこに写っているサバイバー達の寄せ書きで中央には私のフルネームがどデカく書かれていた
怖い怖い怖い!!
私、あなた達と会ったことないし知らーーん!
そして次のメールでは「この寄せ書きをお届けします」とも言ってきた
いや、いらん。。。マジで
抗がん剤2回目の投与後で精神的にも病んでたしガンを受け入れてなかった
ガン関連の本や書類は全て目につかないように隠して現実逃避真っ最中
良くなるために治療を受けてると頭では理解してても’心が中々受け入れない
こんなのがウチにあった日にゃ目にする度に勇気づけられるどころか
「お前はガンだ!」と言われているようなもんだと思った
”乳がんサバイバーとは乳がんとともに生き克服し乗り越えて生きる人”
つまり乳がんと診断されたすべての人を指すらしい
知識が無かった私は「治療が終わって好きなこと出来て サバイバー名乗って上から目線ですか?あ〜そうですか 良いご身分ですね」と完全卑屈モード ボードを受け取ることを辞退
旦那に言うと義姉に喧嘩を売ることは目に見えており、ややこしくなるので義妹だけに伝える
数日後、事件は起こった
義妹からテキストが入った
義妹:落ち着いて聞いてね あの(私のお名前入り)ボードの写真が乳がんサバイバー団体のFacebookに載ってるの
私:(終わった。。。)
義妹:大丈夫?
私:大丈夫...じゃない
大丈夫なわけがない FacebookといえばSNSの代表格 世界中からアクセスできるアレ しかもバンクーバーに私と同姓同名なんていない
なにしてくれてんねん
※世界中の人が私のことを知りたいかどうかは別として
悪いことをしてるわけではないけど『私は乳がんです!』と世界に向けてアナウンスする予定は無かった
了承もなく勝手になんてことしてくれたんだ
放心状態で使い物にならない私に代わって義妹がナンシーさんに連絡を取り写真の掲載を外してもらった
このことがトラウマとなりそこからサバイバー団体との一切の連絡を断った
彼女達の色々な活動を通して勇気をもらい助けられた人も沢山いると思う
でもガンと闘った経験があるのならどうして私のガラスの心に寄り添ってはくれなかったのだろう
治療が終わったら自分もそうなるのか?
いや、違う
文化の違い.....それも違う気がする
優しさと自己満は紙一重
タイミングが悪かったとはいえ自分が逆の立場になった時、自分が必要とされるまで余計なことはしないでおこうと思った出来事だった
カバー写真は抗がん剤のせいで食べたくても食べれなかった『PABLO』のチーズタルト 写真だけ残した