PETスキャンを待つ間、左胸に痛みがするようになっていた

 

ドクターD(乳腺外科医)は腫瘍の大きさから、がんセンターに”緊急”でリクエストを入れると言ってくれていたが、待てど暮らせど電話がかかってこない 痺れを切らして催促の電話をすると予約はなんと8月以降だと言われる

 

に、2ヶ月待ち!!

 

私の腫瘍は短期間でかなり大きくなっていて、あと2ヶ月なんて絶対に待てない

 

”やっぱりカナダの医療システム終わっとるな”

 

総合病院のERでは優先順位をつけられ(トリアージ)、命に危険が無い場合対応してもらえるのに何時間も待たされるなんてよくある話 

娘が腹痛の時は子供病院の救急外来で5時間待ったが諦めて帰ってきた

旦那は脚の手術で一年近く待った

 

同僚のフィリピン人が「ここ(カナダ)で大病はできないわよ」と言ってたのを思い出す

 

私は知り合いの医師に相談することにした

 

そこで分かったこと

 

『日本とカナダ、どちらで受けても同じ』

 

がんの標準治療のマニュアルや治験内容等は全て主要国間で共有されていて

アップデートされ続けているということ

そして地域差はあれど、カナダと日本どちらの国で受けても大差はないこと

(担当医師によって治療メニューの違いはあり)

 

バンクーバーのがんセンターは目の前にリサーチセンター(がん研究所)もありカナダのガン研究のトップレベルの施設が集まっていて

最先端のがん治療を受けられる場所であること

さらにそこでの治療が無料で受けられるのはラッキーで、一旦治療が始まれば後は早い 医療というのはどうしても地域格差が出てしまう それは日本国内であっても同じこと

 

それを聞いてとても安心した

 

日本では抗がん剤治療や手術の際、入院するらしいが

カナダではどれも基本日帰り

これは医療費が無料なので致し方ないといったところだ

私はこっちの病院のマズい飯を食うより家の方が安心できた

 

PETはかなりの高額機器らしく、調べたところBC州には4台あるが

バンクーバーには2台のみ 医療費抑制政策のためCTやMRIなどの検査機器も日本に比べて極端に少ないらしい

だから検査を待つ患者たちが渋滞してしまうのだ

 

私の場合、生活の拠点がカナダにあるので日本へ行ったとしても問題が出てくる

 

まず開業医を受診し紹介状を書いてもらう

そこからがんセンターの予約をし受診

生検、PET /MRI等の検査を受ける(結果が出るのに時間がかかる)

もしくはこちらでの記録を持って行っても良いが

全て英語の検査/診察内容なので煙たがられる可能性あり

 

それに抗がん剤治療中や手術後、病院への送迎や日常生活のサポートが必要になってくる

 

私は両親が日本の僻地に住んでいるため、実家から病院に通うことさえ出来ない

 

私の場合、日本で治療を受けるのは現実的に不可能だと判断した

 

結果としてこちらで治療を受けたことに全く後悔はないし、慌てて日本に帰ってこちらでの治療を遅らせる結果にならなくて良かったと思っている

 

PETはドクターDの猛プッシュによって、6月末に受けられることになった