嫉妬や羨望の目でじっと見る邪視とは?
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スストの治療には魂を元に戻す儀式が必要

スストの治療には魂を元に戻す儀式が必要


体から離れてしまった魂を戻す為に、クランデロ(curandero)と呼ばれる治療者がバリダ(barrida)と呼ばれる儀式を行います。儀式の内容は地域ごとにバリエーションがありますが、バリダはショックを受けた直後にやるのが良いとされています。例えば、恐ろしい蛇を見て病気になってしまったら、すぐ家族がクランデロを呼んできます。

その儀式では、まず、本人にショッキングな事件の詳細を思い出してもらいます。周りにいる友人や家族が治療者と一緒に祈りを唱えたり、魂が戻ってくるように本人の名前を呼びます。本人は十字架の軸の上に横たわり、クランデロからハーブの入った液体を体にかけられます。最後に、ストーブの横に移されたり、毛布にくるめられる事によって、多くの汗をかき、儀式は終了します。この儀式は治癒するまで、数日ごとに繰り返されます。症状が軽い場合は、オレンジの花やブラジルボク(brazil wood)などをお茶にして飲むだけで済むそうです。





トラウマで魂が抜けてしまう……ススト

トラウマで魂が抜けてしまう……ススト


心の病気の中には、その人の属する社会や文化の影響を強く受けるものがあり、文化依存症候群と呼ばれています。

代表的なものとして、突然、ナイフなどで無差別に人を殺傷してしまう、東南アジアで見られたアモックがありますが、人前で緊張してしまう、対人恐怖症は、実は、私達の文化特有の心の病気と考えられていました。

今回は、メキシコやグアテマラなどの中央アメリカで見られるスストと呼ばれる心の病気を紹介したいと思います。


邪視は魔術的思考の迷信

邪視は魔術的思考の迷信


他人からじっと見つめられるのは、あまり気持ちの良いものではありませんが、病気の原因を相手からの嫉妬や羨望の目にする邪視の考え方は、例えば、朝、カラスが集まっているのを見て、ちょっと胸騒ぎがした後、財布を落とすといった不運を朝のカラスに結びつけてしまう事に近いと思います。非合理的にある事を他の事に結び付けてしまう事を魔術的思考と言い、心の病気で精神症状として現れる事があります。子供の病気の原因を簡単に解釈できるという点では邪視は便利かもしれません。

邪視の被害に遭うのは子供だけとは限りません。イタリアでは大人の男性が邪視に遭うと肝心な時に役立たずになってしまうそうです。相手が同じ文化を共有していたら、そういう言い訳が通用するかもしれませんが、日本人の男性が邪視で弁解したら、魔術的思考ですね。しかし、どうして邪視は広範な地域に広がっていったのでしょう? 何らかの根拠が地域特有の文化によって脚色されたという見方もあると思います。

ショッキングな光景を見て、ショックの余り嘔吐してしまう事があります。もしかしたら、他人からじっと見つめらた時、小さい子供は嘔吐してしまうほどショックを受けてしまう事があるかもしれません。皆さんは子供の頃、誰かに見つめられて、怖い気持ちがしたような事は覚えてないでしょうか。

次に、じっと見つめる事によって、相手の体調に影響を与える事ができるかどうかを考えてみます。相手をじっと見つめる事によって、催眠状態のように意識状態を変化させる事は可能かもしれません。催眠状態とは一種のトランス状態で、読書に没頭している余り、周囲の事を意識しなくなったような状態と同様ですが、術者によって人為的に誘導されたトランス状態です。催眠状態になると、記憶、感情、周囲の認識が変化し、心拍数が低下したり、反射が鈍くなり、通常は思い出せない過去の記憶を引き出せたりします。もしかしたら、相手を見つめる事によって、相手の体調を変化させる能力をもった人がいるかもしれません。

ともかく、嫉妬や羨望の視線を相手に向けるのはエチケット違反です! 目は口ほどに物を言いますし、邪視を信じる信じないに関わらず、相手に向ける視線には気配りが必要ですね。