マジで毎日はやっとらん、即興。必要なときにやってる感じ。それはベストだわな。昨日なんて手書きでやったもんな、まあそっちの方が自由に書けるわけだが、でもこっちはこっちで悪くないわけで。スピードがまず悪くない。すげースピードで進むから。これについていくこと自体がえげつない所業なわけで。とにかくそんな感じでありまして、で、今回これを開いた、始めたのには理由がある。宇宙の秘密系もいきたいが、ここはまずネガティブコウモリのどこをあと五枚分、つまり二千字程度足すかっていう。二千字ってどんなもんなんだろ、始めから今ここで二五〇字だったわ、ってことはこれが八つか。決して簡単ではない。これはね、もう一シーンくらいがっつり加えられるし、加えるべきだわ。クリスマス展示の当日、教室に辻野先生がやってくるとか? 本宮が来るとか? そういうことはあるだろうな。あるかな。あってもいい。ただ良いシーンになるだろうか。それぞれけっこう関心がないっていうのが良いんだけどな。美術への情熱があるにはあるし、思想もある唯宏。あ、唯宏って名前が一回も出てきてない。家での様子を描くか。描く必要がある。妹がいる。妹に呆れられている。モテない兄貴ってことで。居場所がない感じ? でもそれはベタか。食卓の空気とかどんな感じなんだろ。食卓ではどうなんだろ。キモいのかな。キモいんだろうな。あの字を見て、妹なんかはなんて言うんだろうか。妹は知ってるだろう、兄の学校でラブレターが晒された事件は。妹ね。どうだろ。兄弟はいるんだろうか、兄弟はどんな程度いるんだろう。誰だっけ、えっと興梠唯宏ね。妹はいる。男兄弟は別にいない。妹、うん妹って感じ。あれだ、誰だっけ、あいつあの道端も妹がいるわ。道端の妹は姉の絵が好き。興梠の妹は兄の絵をキモがっている。絵と言うか兄をキモがっている。絵を描くということをキモがっている。部屋にこもってることがキモい。その声が聞こえる。ずっと部屋にいるんだけど。みたいな。中二の妹。お母さんと仲良く喋る中二の妹。妹との関係が道端と対比されている。道端の妹は学園祭に来て目を輝かせていた。あれは、誰だっけ、興梠の妹は来てもいない。あ、でもそうか、虐待に遭ってんのか。そうか、家にいたくないんだ。ダメだ、道端は家で居場所がないんだ。そっちだった。そっちだから、えっと、興梠は逆に愛されてるってことか。父と母に愛されてる。それがウザいって感じか? そっちの方がありかも。意外性があるかも。両親に愛されてる感じ。となると一人っ子。いや、絵を描く。絵で表現する。満たされないところがある。こいつ、どんな家族構成だ? 頭がくらくらしてきた。これはあんまりタイプしながら考えることではないのかもしれない。上手く言えないが、そんな感じだ。明日は早いと言ってもいつも通り八時に出るだけ。眠いわけではないが、腰が痛い。これ終りでちゃマンと遊びたい。のにさ、あとまだ十分くらいあるはず、この即興。

さてどんな感じでいくか。兄弟、家族構成。母子家庭ではない。兄貴、姉。姉がいるって感じでいいんじゃない? 年の離れた姉。すでに上京してる姉。年末に帰ってくるらしいって話。来年就職する姉。いや就職活動中の姉。その話を食卓で帰ってくるかなっていう。クリスマス・イブの話。一応ケーキを家族で囲むっていう。月曜日でケーキは父が買ってきてチキンを食べるっていう。なぜかそういうならわし、お祝いに、家族でやる決まった催しみたいなもんがあって、それがイブにケーキ。んーどうだろう。そんな感じかな。違うかな。そういうのでもアリなような。結局そう、テーマ『キモいは最高』に結びつくものじゃなくちゃ! それに向けて必然的なシーンでなくては! なんか違う。姉がいるらしいということは分かった。道端には兄がいるのかな。兄に蹴られるって感じか。兄は荒れてる? いや親父に蹴られてるからな、これは。いや母親か、ヒステリーのある母親に殴られてるから、父親は家を空けている。アパート暮らし。そういう感じか。で家では母親が殴ってくる。そんなところから逃げたい。そういうのを描くか? 聞くか。本宮から。道端の家庭の事情を。聞くのはありかもな。本宮にはそういう事情があってっていううお、まだあと七分もあるで。こりゃあ長え。でも続けよう。考えようっていうかタイプしよう。無意識をここに表出させよう。どんなシーンがいいか。あると良いシーンを引き出せ。本宮から聞くのはありだよな。とにかく父親があんまり帰ってこない。一人っ子。母親がいかれてる。一度家に行ったこともある。凄い母親だった。怖かった。それは知らないか。いや見せてない。でも青痣は見せた。それが彼女の見せたいもの。なんかね、今でけっこう完成度高いんだよね。これにどう手を加えようかっていう、慎重にならざるを得ないっていう。なんか蛇足になってしまう気がして。でもきっとどこかあるべきシーンがあるんだろう。ここでもう五枚増やす。二千字は増やす。シーンだよな。冒頭の? 他の生徒とのやりとり? ああ、あのいじめられっ子か。その前に文芸部の須藤と話しとくことにするか? いや返ってそれはわざとらしい。もっと何気なくっていうかいきなり登場したくらいが自然で、リアリティがある。次にはなんだろうか、あとはあるべきシーン。辻野か。あいつがなんか変な絡み方してきたりするんかな。しないんかな。どうかな。どうなると面白いかな。どこが必要なシーンかな。何があるといいかな。ちょっとそれを考えながらボーっとしよう。ボーっとする分にはよかろう。ボーっとして考えよう。考えるというか、とにかくボーっとしていよう。頭の中で高速でシーンを描いて、これだってものをゲットしよう。今はまだ出てこない。郵便ポストには投函した。後は返事が来るのを待つだけ。そういうスタンスで待っておこう。何かしらひらめくはずだ。降りてくるはずだ。だってこれはホンマにいい作品だから。これはあれか、ラストの方の会話はもっと膨らませることができるし、エピローグ辺りは手を加えることができるか。うん、できるわ。その辺りにちょっと手を加えよう。それでさらにググっと良くなる。仕切れトンボ感というか、ぶつ切りエンディング感がなくなるだろう。

こすむとへりとか