「どんな手段を使っても豊かになって地位を得られれば、それが成功だと信じている者すらいるが、わたしはこのような考え方を決して認めることができない。素晴らしい人格をもとに正義を行い、正しい人生の道を歩み、その結果手にした地位でなければ、完全な成功とは言えないのだ」

この本の著者である渋沢栄一が言っています。



「不誠実な振る舞い」や「自己の利益だけを追い求める行為」を否定し、「論語」の精神に基づいた正しい行動から得た成功でなければ成功とはいえないと言っています。 


とはいえ一方、社会正義のための道徳を頭でっかちに振りかざすことや、金銭をいやしむという風潮が極端に行われることにも警鐘を鳴らしています。

現実に立脚しない道徳は、人々から活力を奪い、国家も衰えて弱くなり、最後には国を滅亡させてしまうと言います。 実際に、中国では宋の時代にそうした事態に陥り、国が弱体化してモンゴルに攻め込まれてしまった歴史があるそうです。 


つまり!


バランスが大事なんだよね。


経済と道徳、どちらか一方に偏るのは良くないということです。 だから、結局は経済と道徳とは調和するのが最善の道であるというわけです。


「利益を得ようとすることと、社会正義のための道徳にのっとるということは両者バランスよく並び立ってこそ、はじめて国家も健全に成長するようになる。個人もちょうどよいあんばいで富を築いていくのである」

なんだって



さらに

「昔の学問と今の学問を比較すると、昔は心の学問ばかりだった。一方今は知識を身につけることばかりに力を注いでいる。 昔は読む本がどれも「自分の心を磨くこと」を説いていた。さらに自分を磨いたら、家族をまとめ、国をまとめ、天下を安定させる役割を担うという、人の踏むべき道の意味を教えたものだった」 
「ただ学問のための学問をしている。はじめから「これだ」という目的がなく、何となく学問をした結果、実際に社会に出てから「自分は何のために学問してきたのだろう」というような疑問に襲われる青年が少なくない」


これ100年前の本です。


凄いですよね!



「さて、人格を磨くための方法や工夫は色々とある。仏教に信仰を求めるのもいいだろうし、キリスト教から信念を組みだすのも一つの方法だろう。この点わたしは青年時代から儒教に志してきた。その始祖にあたる孔子や孟子と言った思想家はわたしにとって生涯の師である」 
「自分を磨くというのは、自分の心を耕し、成長させることだ。理想の人物や、立派な人間に近づけるよう少しずつ努力することを意味している」


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いわゆるスキルを学ぶ機会は多くありますが、「いかに生きるべきか」といった哲学のようなものを学ぶ機会や、人格を磨くといった機会はあまり多くありません。


ずっとそばに置いておきたい一冊ですね。


それではまた^ ^