模型誌と言うマスコミの功罪 | ◆完成品屋さんによるblog◇模型と猫◇組立彩色工房 岩崎◆

模型誌と言うマスコミの功罪

模型誌から見るガレージキットイベントと言う 「祭り」 に関わる取り上げ方。

 

模型誌のこれ迄のガレージキットに対する取り上げ方は、80年代は目新しい素材文化だった為にHJ、後発のMGで競う様に取り上げて居た。

初動はガンダムのブレイクに拠る影響でしょうね。80年代のアタマの頃はプラモが無かった不満を自分で解決出来ると思われて普及を早めた。

複製と言う便利な手段と材料を知らしめた時代。

HJはフィギュアの普及と共にHowTo本を出せば売れると理解したので原型の作り方と塗装法を纏めた本を出した。

この頃は黎明期故に加熱の方向へ全てが進行して行ったよね。

ガンダムのガレージキットにフィギュアのガレージキット。みんなこの頃は手探り状態だった。材料にしても紙粘土、ポリパテとかの新しいモノの紹介も頻繁に成ったね。町の模型店がメーカーへ変容を始めたのもこの80年代のアタマの頃から。

 

岡田斗司夫の発案からガレージキットに特化したイベントがゼネプロ店舗内で初めて行われてから、集客し易い東京へ即移動して、産業会館とか都内のイベント開催場を渡り歩いてましたよね。

同時に大阪府内でもゼネプロのイベントを模倣してガレコン?だったかな?小規模のGKイベントが春と秋の辺りに大阪市内のホールや会館を使って数回開催された。

 

90年代は版権についての布教時代とも言える。

ジャフコンとワンフェスと言う都合年三回開催される大型イベントへの関わり方の紹介と内情の紹介が模型誌三誌の中で二誌が過熱化させて行った時代。

しかし、過熱と言ってもホントの過熱期を迎えるのはエヴァンゲリオンがテレビ放送される迄は未だお座なりだった。

80年代中盤からガレージキットをけん引して来たキャラクター=セーラームーンと言う柱が10年を牽引して来て、そろそろみんな何処かしら「飽きて来た」頃合いだったし、双璧たるガンダムはHJのワンフェスバッシングに拠り版権が安易に下りなく成って来た為にメカモデラーの「製品化されないMSが欲しい」と言う鬱憤晴らしの矛先がHJ主導のジャフコンで解消されるかと言う期待も徐々に企業の都合で安易に下りて来る事は無いとモデラー界隈に知れ渡るとやはり引いて来る事も出て来たでしょう。又、フィギュアに比べMS大好きモデラー達の「口の悪さ」=「求めるモノのレベルの高さ」と言うのも天井知らずで、アマだろうと企業だろうと「出来が悪い」と認識されたら色々当時の2ch等でぶっ叩かれ始めていたからね。

微妙な熱の下りが出始めていたと思うけど、「エヴァ」で起爆されてしまった。

SFアニメ、と言う括りで思わせぶりな色々な枝葉、そこそこ当時としては細身の美人女子キャラ、アムロを超える陰キャwで話を進めると言うモノで人気を博したものね。

 

2000年代ガレージキットの廃れ加速、メーカーの離脱とPVCの台頭、転売屋の拡大、中国製コピー品の大量流入期。

90年代のエヴァブレイクの過熱は、五年後には急速に冷え込んだと共に雨後の筍の様に乱立したGKメーカーの淘汰へ切り替わった。

96年以後湧いて出た新興メーカーの殆どは2000年を超える事が出来ず、開発品も五種位アナウンスしてても全て出す前にエヴァ人気に相乗りしただけで討ち死にして行った時代だったね。GK製品の出来が良くても、既に90年代最後期の頃はそもそも模型誌がGKを煽る事に「飽きた」頃合いだったので、さしてピックアップしてもくれない時期に差し掛かっていたから。

フィギュアに特化した紹介誌も二誌程出たが、最初はアマディーラー製品も紹介していたが、二年目辺りにはそれ迄の包括紹介だったのが「出来のイイディーラー」製品紹介へ移行し、三年目?辺りにはアマは余程出来栄えのイイモノ以外紹介せず、雑誌としての生き残りを掛けてメーカーの製品紹介へシフト、GKメーカーのGK撤退が宣言された2005年以後、コールドキャストやPVC完成品の取上げをメインに切り替えてイベントディーラー製品の紹介は「ありましたよ」程度にしてそもそも市販されないモノへの関りをサラっと流す様に仕様変更して凡庸化、フェードアウトして逝ったね。

そして99年頃に日本に出来たヤフオクと言うシステムが浸透し始めると、それ迄不要、換金したいモデラーが利用していた古物商「まんだらけ」だけでなくても、モノに拠れば高値で買われるとモデラー諸兄にも知れ渡ると 「転売」 と言うモノが常態化を始めた。

90年代中迄は、マニアの所持品売却先としては、まんだらけ程度しか無かったからね。

しかし、ヤフオクが認知を広めると私でさえ此処でガレージキット完成品を扱わせて貰う様に成ったからね。

それ迄はⅤ社のショーケースシステムを利用させて貰っていたが、五年も越えない頃に「ガレージキット完成品は著作権に抵触するので扱い不可」として追い出しを受けたものね。

確か2000年から四年程度の間にショーケースと言うのはガレージキット完成品を全て追い出し、出せるのは古物キャラ物品とガンプラ完成品だけに成った。

 

転売屋と言うのも、元は他の市場を荒らしていた人達、バザーと言う全国の市町村で開催されてる古着市、古本市等で高値で売れそうな物を開場前にディーラーから

買い漁り、自卓で高値転売すると言う様なハイエナ稼業をしてた様な奴がプラモやガレージキットでより高値で売れると知ってしまった為に介入して来た勢力。

元々モデラー間で上京出来る人と出来ない人との間で買い取り代行と言う手段でお駄賃を貰って買い物してた様な人も、ヤフオク等でお駄賃よりも「美味しい」思いが出来ると判断した人等が居たのも有って、何時しか情報共有されてしまったのでしょうね。

以後、今に至る迄原型師のヘイトを買い捲るも、消える種族ではない。

ま、気にしてる人は一握りだろうけどね。

わざわざ東京迄上京して「買いたいと言う熱情を持つ人」ってどれだけ全国に居るのだろうか?と。

 

中国製コピー品は2005~2010辺りの極一部時期に巷の中国雑貨屋で大量に出回っていたらしいが、余りに出来が悪くて、又色塗りも塗料が薄薄過ぎて陶器製品の様な感じで型抜きも分割せずの一発抜き。パーティングラインは消さないでそのままで売ってました。話のネタにと当時Ⅴ社に出入りしてた時の他地域の常連さんとたまたま日本橋界隈を買い物に出てた時にばったり会って、ネタで買ったと言う中国コピー品を見せて貰いました。箱も無く袋詰め売り、台座の部分に日本語で当国で正式版権を受けたものですと言うアチラルールに拠る許可証明?と言うシールが貼り付けされた箇所がありました。

あの国はあんな物で押し通す気だったのね、あの頃から。

しかし、流石に出来の悪さもあり、悪いから値段も数千円(確か二千円切ってた)ので、すぐに消えて逝きましたね。

今の様なスマホを所持してない時代だったから、その製品の画像は無いのだけど、ホントに酷い出来だった。

 

2024年、世情も海外、国内共に宜しくないですからね。

五万の大台に乗りそうだった来場者数も、コロナ禍を経て、ご多分に漏れず減少化を明確にしたな。

 

模型誌は書かないけど、企業参加者が減ったなと感想漏らす程、目に見えているのは草だ。

今夏行けたら見てみたい。さらに減ってたら笑うけど。昼めし食ってから内部一回りして自分の記憶する2018年以前のワンフェスと比べてみたいわ。

 

当初はGKイベントを標榜してたけど、館長から息子の代へ変わってから、企業誘致=GKショップだけではなく、バンダイ他のキャラビジネス企業を誘い、企業エリアを設けての多角化を始めたよね。

 

模型誌と言うのは今やガレージキットには冷淡だし、塗装法は高額な別冊買ってね❤だものね。

月刊誌で扱う気が無いのは明白。

別冊の方が儲かるからね。しかし、GKの作り方=粘土・パテではなく既に今はデジタルモデリングが主流。

塗装は模型誌が見繕った方の塗装法紹介。

本形式だから、ホントに理解されるか否か?

YouTube動画でのフィニッシャー動画でも、ズブの素人さんには理解出来るのだろうかと。

 

ま、本文を編集者が加筆しないとも限らないし、文言の添削権は編集が持つから、何処で肝心要を省くか知れたモノでは無い。

どの様な書籍も、執筆者の言葉をそのまま載せると言う事は無いからな。

編集が理解出来ない技術的話が有ると、分かり易い言葉へ変換され、意味が通じなく成る事が「無いとは言えない。」

よくある改造記事にしても肝心要は絶対載せないし、書かない。

画像だけでは理解しづらいのも多いのが経験で判る。

前に出版に関わった知人が「頼まれたキットへの記事が、出身地に合わせて語尾を改変されてた」と愚痴言ってたからねぇ。筆者が書かない事を敢えて加えて改変するのって編集権持つ方が如何とでも出来るからね。

そう言うの聞いてから余計模型誌は画像を見るだけに成ったのよね。

紙面の言葉に意味はない。そう解釈してるから。

昔から 「肝心な事は一般に教えない」 からね。

 

プラフィギュアにしてもコレはメーカー主導だからお神輿担ぎ上げてわっしょいわっしょいしてるけど、何処迄続くやら?

ガンプラがじわじわ衰亡期を迎えているのだから、次の神輿はプラフィギュアなのだろうなと。

これならコトブキヤとバンダイから出続けるだろうからね。版権的には安定だ。

イベントのGKの方が ”面倒” だものね。

 

一時は祭り上げてた原型師も、今やデジタルモデリングの普及で手捏ね原型師に見切りをつけた感が有るからね。

作れるだけなら、デジタルモデラーで事足りるから。

しかし、手軽に作れるAI技術と言うモノの進化で、今後どの様に変化するかは未知数だね。

手描きキャラも容易に現実性を持つ人の絵に変えられるのだから。其処で出来た3D情報を出力機に掛けて出せばイイだけなのだから。

あと二年もしたら、レジン置換キットから、磨きもしてない出力したままのモノが当たり前に売られる時代に成っているかもね。

何せデジタルモデラーには、表面処理と言う概念が無い人が多いと言うからね。

それは購入者がやればイイと言う事に成っている様だから。

等高線だらけのキットを磨く手間、誰が処理を採るべきか?も何れ議論に成る時代が来るかもよ?

依頼で預かってるフィギュアのガレージキット。

見れるかな?等高線が出てるの。

身体の方は太もも辺りでよく分るでしょうね。

ストッキングの圧部が有る様な感じで微妙な凹みとか出てるのですよね。ちょいと画像が体の方がボケ気味ですので参考にならないのでしょうが。

これ、研磨方法に慣れてない人にはハードルが高い。

 

製作依頼でこの二年程、出力しっぱなしのGKキットの製作依頼を受けたけど、なかなかに手間いモノよ。

安く?それとも手早く出力する為に等高線だらけの出力品が出回る事に成る。

ちゃんと設計して、手間を掛けたモノを出してても、アニメ作品の旬の期間に頒布出来るのかで、少量でも在庫抱えで憤死と言うのも起こり得るモノだから、二回以上続けて出さない人も多いんだよね。昔の頃より作品愛からの製作ではなく、手軽に作れるから、利益を出せるから 「当てに来る」 と言う人がじわじわ増えているのでしょうね。

塗装見本は処理されてから卓に並んでるでしょうからね。

買ってみたら等高線だらけだったと言う事も有り得るかもね。コレを処理する根気が買った側のエンドユーザーに有れば完成するでしょうけどね。

 

気を付けないとイケないのは、下手にニッパーで枝を切ると、割れるんですよね。

樹脂の混合、化学反応に拠る熱硬化ではないので、結束力に問題が有ると言う気がする。10年、20年先にどの様に崩壊、瓦解するのかは未知数ですね。

この手のキットは、ムクの部分と肉抜きが施されてる部分とに分かれる。

無垢の部分は極僅か、手足の指先、この辺り程度。他は殆ど内部は肉抜きの空間が存在している。

レジン製のキットと手の平に乗せて重さを比べたら判るだろう。大きさの割にレジンのより軽い筈だ。

中空だから下手に高い処から落とすと粉みじんに成りかねないかも。

240~320番手で粗削りして、グレーサフか白サフで表面の状況を検分して表面均しをしないとイケないだろうな。

初めての人は面食らうだろうなぁ。