新興国の繁栄が招く資源戦争
この所、70年代の初期に発生した物資不足恐慌が日本でもそろそろ再燃
して来た様ですね。
関東の方では植物油、コーヒー等と言う生活必需品の「安値の内に買い溜
め」と言う恐慌一歩手前の状況になり始めている。
中国の経済的裕福化とブラジル等の南米圏の裕福化、インドの裕福化によ
り、人口の多いこれら地域での物資消費量が急激な伸びを示し、それまで
の先進国だけで消費されていた物資がこれら第二の先進国圏に吸収される
事で今までの様な行き渡りが不可能になり始めた様ですよ。
そして今の中東地域の世情不安、導火線に火が付いた様に広がる独裁打
倒の気運で今年から数年は石油すらまともに仕入れが出来るかどうか不
確定に。
現時点でリビアの世情不安はヨーロッパの石油輸入事情に多大な影響を
与え、仕入先に日本が選定している地域へヨーロッパ資本が喰らい付く事
が明白になり、売り手市場になる模様。
何れ食料はおろか原油の確保もままならない状況に立ち至る危険が増大
している模様。
チュニジア、サウジアラビア、リビア等が政権安定してくれる時期が早けれ
ば影響も少ないでしょうが、スムーズな民主化が出来るかどうか…。
西側とアメリカの影響をどれだけ受けるか、受け入れないかでこれは決まる
でしょう。
食料各種…
中国、インド、ブラジル等第二先進国とも言えるこれらの国の繁栄は従来の
先進国の中で消費されている物を同じ様に消費します。
当然、こうなると物資の取り合いが起こります。
台湾の政権の様に地産地消を掲げ「マグロの輸出を一切しない」と言う強
硬姿勢をブラジルが今後示さないと言う保障は無い。
今後、世界各国は物資の取り引きよりも”確保”に狂奔する傾向が高まるで
しょうな。
他所の国の農地を企業が買収しても国法で輸出禁止にされれば同じ。
「開発だけさせて収穫はその国の物」と言うロシアが日本の石油企業に仕掛
けた欺瞞工作が世界で広まるでしょう。
自給自足能力がこれから問われる。
日本は本気で農業振興をしなければ一億強居る国民に飢えを戦争も無いの
に強いる事となる。
ある程度の物資の品目が国内から消える事も念頭におかねば成らない。
今までの様な無駄に裕福な生活がし難くなる時代が直ぐそこまで来ている。
こんな物以外でもジワジワ広まる物資不足。
去年末からPSP等の液晶画面搭載製品の品薄や欠品が目立つ。
これは液晶画面の生産工場を日本が中国頼みになった影響。
何時の間にやら国内で液晶画面の生産をする工場を一軒も持たない企業が
増えたため。
液晶画面はゲーム機以外にも車のナビ機材、その他大きさの大小色々な物
に使われる。
これも先進国だけで使っていた間は今までの方程式で良かったが、第二
先進国の台頭で需要は倍以上に増加。
そうなると生産量が間に合わない事が当然起こる。
中国では正規品以外にコピー製品が多大に生産される国。
液晶画面は当然この様な物にも大量に使われ品薄に拍車を掛ける。
日本ではPSPが去年のクリスマス前から生産のメドが立たない。
車のナビ製品も同様。
今後もこの影響は長引く可能性が高い。
ゲームが開発されてもハードが無い状態が長続きするでしょう。
「人件費が安いので、製品価格の利ざやで儲け幅を多く取る」と言う今までの
価格設定と生産法が今後、企業の収益を圧迫する可能性も有るのでは?
何時まで経っても入荷しないハードに顧客が我慢できるか?
企業の有り方も今後成長の鍵を握ると思われますね。
海外頼みと言う生産方式が脆弱な本国と言う図式を産みかけないですね。
先進国と言う物が何時の間にか途上国の奴隷の様な状態に成り下がる日が
来るのではと危惧します。
資源、工場を握られると言う事はこう言う逆転も有り得ます。
相手が誠実な内は取り引きも上手く行くが、悪辣になればどんな不利益が掛
かるか判ったものではないです。