学生団体S.O.U.L(Syndicate Of University Leaders)団体理念



前文

 この団体理念は企業における企業理念に相当し、それはその企業のあらゆる活動の最も始めに存在すべきものである。すなわち理念あっての企業、理念あっての団体でありこの団体理念の策定を以って本質的に当団体が団体になったと言っても過言ではない。

 また、この団体理念はそれまでの活動経験の賜物である。これまでの金字党としての約二年間に渡る活動で得た経験全てが集約されたものとして、当団体はこの団体理念を財産とする。

 この度、団体の規模拡大と事業の多角化を目指し金字党は新たにSOUL(Syndicate Of University Leaders)と名称を変更する。この機会において我々の目的、ビジョンを明確に規定し、ここに記す。

 当団体はこの団体理念を大学生ならびに大学当局、その他にも大学という場に関わる者全てに積極的に公開していくものとする。

 

2007年12月18日

S.O.U.L創設者

森 圭輔



1.団体の目的

①大学を街に<UNIVERSITY→UNIVERCITY>


・高等教育機関としての大学
 まず高等教育機関として学生達が大学で学べることをフルに学べていない。これには大きな原因として学生の学習意欲が挙げられるが、またそれは大学での学習が社会にて応用がいかに利くかということが広く認知されていないことに由来する。


・市場としての大学
 上記と同じく、市場すなわち資源交換の場という視点で見た大学においてもまたその本来の市場価値がフルに利用されていない。これは潜在する資源価値の単純合計量のみでなく、それらの資源を同時多発的に利用した際のシナジー効果によって創出される価値も含まれる。


 そこで我々は以上の二つの視点から見た大学のうち、対外的には市場としての大学にフォーカスする。実際の社会においても、それをあらゆる組織の集合体と見た場合、その中での企業の役割は無くてはならない存在である。そこで我々は社会を大学に置き換え、当団体をひとつの企業に置き換える。<模擬企業>

 大学の中には現時点でも多くの学生団体が存在する。その多くはサークルという概念だが、活動はフリーペーパー製作、映画製作、音楽活動など実に多様である。これらの活動を各団体内のみでの消費に終わらせること無く団体同士での資源交換の流れを作り、更にそれに付随するシナジー効果による価値創造を可能な限り目指す。その未来こそが「大学が街になった」状態である。その際には当団体の責任、目的は一部果たされ、この団体理念が書き換えられるのはその時であろう。そして我々が理想とする大学像とは学生による自治ではなく、あくまで学生の自立である。大学という場が市場ならば大学当局は政府である。大学の制限、規制の範囲内で学生団体は自由に価値創造、資源交換などの活動をすることを目指す。


②企業活動のケーススタディ
※ここでは「経営」を広義に捉え、包括的な企業活動を指す。

 当団体内は企業経営すなわち技術、商業、財務、保全、会計、管理などの諸活動、更にそれらに付随する末端業務など全ての実行可能性を含んでおり、これらの実践業務を経験ベースで行なう。ただ、企業においては経営活動とは利潤追求をその目的とするが当団体はあくまでそのプロセスに重点を置く。

実益を上げるのことはその事業のリアリティに起因するのであり、あくまでそれに付随する実務経験の方が重要であって、短期的な利益の追求はその本質に反する。そのためには常に中・長期的な事業計画が必要であり、その内容も具体化し全ての活動においてその最終目的を一致させなければならない。その最終目的がこの団体理念の内容である。

 更に大学で学ぶこれらの学問をリアル・シーンで応用するための場ともなり、その場合は大学の勉強とイベント・ビジネスの間にシナジー効果が生まれる。教育機関においての学習が学生に軽視されるのはそのリアリティーのなさに由来する。当団体はこれを、大学においての学習と平行してイベント・ビジネスを行なうことで補う。


③明治大学のロイヤリティー向上<明治維新>

 ひとくちに大学と言っても当団体は明治大学を中心とする団体である。現状として明治大学はその歴史経験を原因として当局の拘束が他大学に比べ厳しく、学生の主体的活動が大学内であまり活発でない。また、大学内での主体的活動も大学当局の促進に起因するところが大きい。それゆえに、完全な主体的活動を求める学生は明治大学の外部においてすなわち他大学の団体に活動を求めていってしまう場合が多く見られる。だが明治大学は誇るだけの伝統と特徴を充分に持っており、その帰属意識をより促進させるためにも学生が主体となってまず明治大学内での学生主体の活動が活発になるべきである。当団体のイベント名『PURPLE HAZE』も明治大学のスクール・カラーである紫紺に由来する。

 また、当団体が明治大学への帰属に固執することは一種のローカリズムであり、ひとつの大学という単位のローカルを代表することなくしてグローバルすなわちここで言うところのインター・カレッジは成し得ないからである。当団体は既存のインター・カレッジのイベント体制をも革新することを目指す。


2.大学の限界と個人のあるべき姿
 団体の目的①において見られるように大学という場は非常に多くの可能性を含んでいる。しかし一方で学生ゆえの限界は当然存在する。ここでは前身団体金字党の創設から当団体設立までの約1年半の間で得られた経験として現時点で明確になっている限界点を述べる。


組織内活動
 実際の企業においてはその多くが労働契約の際に副業を禁じているなど、全ての社員が当該企業活動を最優先させることを了承しておりその前提で全ての業務が円滑に行なわれる。

 しかし、我々はあくまで大学生の諸活動の最優先事項は大学においての学習であるべきだと考える。そしてそれ以下の優先順位は各個人によって様々であり、その決定も各個人が主体的に下す。それを前提として当団体の活動を優先させる拘束力はどこにもなく、他の予定を優先させる構成員がいたとしてもそれは当然のこととして理解されることである。

 それゆえに、企業活動を目指しても実際の企業ほどの円滑な業務執行は行なうことが出来ない。実際の企業において当然行なわれる業務が学生団体では当然のようには行なわれない。これは団体の組織においてのライン統括者の宿命であり、当団体の活動においては不確実性となるが、一方でそれは当団体の考える学生としての各個人のあるべき姿には必ずしも対立しない。団体活動の中でこそ各個人のベクトルのずれは時に非効率を招くが本来当団体の構成員が個人としてあるべき姿とは視野を広く持ち、文化的にも多種多様な専門分野あるいは関心を持ち、行動することである。


3.末端業務の重要性認識<現場帰属>
 当団体の出自はイベントの現場すなわち組織で言うところのライン部門であり、スタッフ部門による経営管理がより精密になってもイベントの本質としてその事業の基幹的業務のプライドはとりわけ重要視され続けるべきところである。


4.現状の認識
 その過程での経験を中心に据えるとはいえ利益追求という企業の目的を遂行するにも関わらずまた上記のような限界を経験しながらも実際に会社化をしないことには当然の理由がある。当団体の行なう事業は、全て大学を市場と規定しその市場において行なわれるべき、またその市場でのみ行なうことができるものとする。それは団体目的に起因し、あくまで大学というフィールドに置かれている現状を強い認識を持って利用し、本質として「大学生らしい」活動をするからこそ現状に価値があると考えるからである。我々は自らの行動を以って現状に価値を創造する。ここで述べた価値とはもはや当団体の構成員としての各個人にとっての価値である。


5.プライド
 我々は常に我々のビジョンを実現するために活動するのであり、各ステークホルダーにその理解を得られない場合はその協同体系の構築を取りやめることを尊しとする。
 人間はもちろんだが組織間においてもまた各主体は常に広義での貢献と誘因すなわちリスクとリターン、takeとgiveにおいて関係を保っており、その全体像はみな平等である。これを権力に遜ってまで関係を保とうとする必要はないと考え、それは社会的な錯覚に過ぎないと認識する。