常に俺たちは旅を続けているけど


やっぱり


「旅の匂い」ってあるな。



マレーシアの熱帯夜に歩く屋台の匂い


バリのサンバルソースの薫り


サンディエゴの海沿いの住宅街の匂い


L.Aのスラム街の汚い匂い



そんな匂いが時々することがある。


それは必ずひとりの時だ。



やっぱり旅人に切り替わる時ってのがあって


俺の場合切り替わったら野宿出来る。


飾らなくなる。


透明になる。


孤独になる。



バリでサーフィンをしたとき


透明な海でライドして


さんご礁が足元に透けていた。



透明ってすごい魅力的なことだ。


透明とは必ずしも綺麗になることではない。


透明とは汚いものも見えることだ。



人間に関しても


表面だけ取り繕い、着飾り、


人間の最も人間らしい汚い部分を隠すことが


一番汚いことだと感じる。



そして


人間は孤独ってことだ。


旅をすると


真の孤独に向き合うことになる。



悲しみも喜びも


人の中でなく


人と人の間に生まれる。