東明寺(とうみょうじ)は、持統天皇八年(693年)に、舎人親王(とねりしんのう)により開創された。

舎人親王は、母の持統天皇が眼病に悩まされているのを哀しみ、母の回復を祈っていたところ、夢枕に老翁姿の白髭明神が現れ、そのお告げにより当山に登り、翁の与えた金鍋に霊井の水をすくい、この水で母の眼を洗ったところ、持統天皇の眼病は治癒したので、感謝として舎人親王の勅願によりこの地に寺を建立した。

また、当寺は矢田村の氏神である矢田坐久志比古神社の神宮寺で、神役を勤めていた。

*舎人親王は、天武天皇の第三皇子で「日本書紀」の撰者として知られている。

 

   宗 派 : 高野山真言宗

   御本尊 : 薬師瑠璃光如来

   所在地 : 奈良県大和郡山市矢田町2230

 

 

 

山門

 

 

白龍弁財天

 

 

本堂

御本尊の薬師如来坐像は平安時代のもので、白髭明神持来の尊像で舎人親王の感得仏とのこと。

本堂には、毘沙門天立像、吉祥天立像も安置している。

 

本堂

 

 

石造七重塔(右)

鎌倉時代のもの。