京都版画館は、徳力富吉郎によって、古版画、富吉郎の作品他、若い作者の育成、新版画研究の場として、平成三年(1991年)に京都徳力版画館を創設した。徳力家は、代々、西本願寺絵所を預かる旧家で、多くの国宝を描き残した。富吉郎は徳力家の十二代であり、日本画を土田麦僊、洋画を小林和作に師事し、国展ほかにて多くの受賞、伊勢神宮能楽堂鏡板を揮毫した。昭和の初めより木版画の研究を進め、多くの徒弟を養成し、版元を興し、木版画普及に努め、版画界第一人者となった。徳力版画は、多くの所で見かけるが、伊勢の赤福餅に365日、日替わりで名所の催事版画が入っている。

 

   所在地 : 京都市左京区聖護院蓮華蔵町33

   電 話 : 075-761-0374

 

 

 

 

 

宝船図(297×210mm)

「宝船」は江戸時代から、上方では節分に、江戸では正月に売り出された摺りもので、その夜に枕の下に敷いて寝ると良い夢を見るとされた。図版には、宝珠、打出の小づち、砂金袋、宝鍵、米俵、七宝、隠笠、鯛などの宝物を満載した宝来船が、大海を渡ってくる縁起の良い絵図である。

宝船図には、「長き世の遠の眼りの皆目覚ざめ 波のり船の音のよきかな」という、上から読んでも下から読んでも同じという廻文が添えられている。

 

宝船図・枕下(160×125mm)

 

はがき

 

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