質問です。あなたの営業成約率、会社における営業成約率は何%ですか?

毎月の売上データとは別に、営業担当者別、営業部全体、あなた個人の成約率をデータ化していますか?

これまでも営業の「質」の改善については問題定義させて頂きました。

今日は成約率について話を進めていきますね。

 

中小企業には営業に投下できる資金に限界があります。販促費、広告費を無くせとはいいませんが、大手企業のような広告予算の捻出は不可能でしょう。

限られた予算の中で、売上を伸ばしていく事を大前提とすれば、「質」の改善は急務です。その中でも「成約率」=お客様との取引を実現させる割合・合意を頂いた数を如何に増やすかは中小企業の業績アップに起因しています。

当然ですが、どんなに人が良くてもどんなに誠実であっても、成約を結べない、仕事が取れない状況ではビジネスは成立しません。更に、成約に掛かる時間が長い人もいますね。

無償期間が長く、いつまで経っても請求できない、正式な成約を結べない担当者もよく見かけます。私のクライアントで、太陽光のメンテナンスサービスを提供している会社がありますが、そこは「太陽光の販売」という利益を得てるからこそ、メンテサービスを一定期間長くしています。(1年間無償)それには理由もあり、その後、約20年間(FIT法案 20年買取制度)、継続的なお付き合いをする為に無償期間でサポートの充実を体感してもらうとう狙いがあるからです。まして、その企業の財務体質、収益性は業界トップクラスという+α要因も合って顧客に還元できる背景もあります。

そういった例外を除けば、スモールビジネスを展開している中小企業はキャッシュポイントを早めなければ、会社が運営できません。

だからこそ、「成約率」を高める事と、「成約」までのスピードを早める事は死活問題でありここを常に、研究、改善し続ける事が重要なのです。

 

ではどうすれば、「成約率」を高め且つ、「成約」スピードを早める事が可能になるのかカキに記載していきますね。

 

①信頼関係作り

②買わない理由から買う理由への転換

③ハードル設定

④共感から生まれる合意

⑤先取りスケジュール

 

一つずつ解説していきまね。

 

①信頼関係作り

ビジネスの基本ですね。Web、リアルのどちらであっても相手から見て、信頼関係を作るに値する人物なのかをはっきりさせる必要があります。人柄は勿論ですが、専門家としての能力があるのか、実績は十分なのか、そして商談や面談における目的を正しく設定してくれるのかがとても重要となります。限られた時間の中で、売り込み等の不安を持たせたままでは、顧客は心を開きません。今日の商談の目的はここである。としっかりと最初に大小様々なゴールを設定してくれた人には安心感を持たれます。いきなり商品説明や会社紹介等は止めて、目的を共有する事から始めましょう。

そして、しっかり問診を繰り返すのです。

どこが悩みなのか?何故なのか?何が考えられるのか?どういう未来が理想なのか?

押し付けることではなく、寄り添う気持ちでしっかり聞き取る事が問題の本質に迫っていくのです。目の前の相手はそもそも、表面的な問題にしか気がついていません。問診を繰り返す事で一緒に、本当の悩みや原因に辿りつくイメージが大事ですね。この時間を共有する事で相手は確実に心を開きます。言葉の数が多くなります。当然、相手はこの場を有意義にしてくれたあなたに信頼感が湧いてくるのです。

 

②買わない理由から買う理由への転換

信頼関係=相手の真の悩みや問題を共有できたことになります。即ち、解決する為の

「ツール」の必要性が醸成されてきた事になります。しかし、直ぐに売り込むのはNGです。目の前の顧客は買わない理由を常に探しています。それは不安が有るからですね。

失敗の恐怖、周囲からの反対等上げれば、きりがありません。焦らずに、相手の買わない理由を事前に察知(事前準備)し、過去の事例と織り交ぜながら一つ一つを払拭させて行きましょう。先日、コンサル依頼があったクライアントと面談を実施しました。依頼があったとはいえ、クライアントの買わない理由を想定していましたので、確実にその不安を払拭しながら面談を進めていきました。

コンサルティングサービスにおける導入前の不安は、

①社員の反対、負担が大きいのでは?

②後継者/奥様の理解が得られないのでは?

③改善イメージが伝わっていないのでは?

は確実に上がってきます。この3点を踏まえ、経営者がヤル気はあっても最終判断に至らないケースが多いです。こういった目の前の顧客が持つ不安、買わない理由を一つ一つ、丁寧に解消していく為に、商談前の事前リサーチが必要になるのです。(買わない理由と対策)

 

 

③ハードル設定

ここまでの流れは商品の話を具体化している訳でもありません。相手から多くのYESを得て距離を縮めているイメージですね。

悩みを共有し、解決の必要性を高めつつ、小さな不安を取りのぞいている段階です。

ハードル設定は、個人というよりも会社の「ビジネスモデル」の話です。ある程度ニーズも把握して商品を提案したい所ですが、「顧客が買いやすい商品」の設計がポイントになります。いきなり、メイン商品を提示しなくても入口商品(フロントエンド)を提示し商品導入へのハードルを限りなく引き下げて提案していきましょう。一度、あなたを信用し、買ってくれた方は必ず、リピートしてくれます。そこまでビジネスモデルを設計しまずは、小さな取引から提案する事で顧客をエスカレターに乗せましょう。そうして、自動的に次の商品に進めるように寄り添っていくのです。

そして、この入口商品の提示の利点は、金額も少額という事で新人営業担当者でも取り扱いが可という事です。新規客でも既存客でも新人は高額な利益商品は売れません。顧客も新人から買いたいと思っていません。そういう意味では入口商品を設計すれば小さな売上を積み上げられるので、売上の機会損失を解消できます。

先日、私のノベリティグッズを扱うクライアントで1人の新人営業担当者が見事に入口商品(名刺ケース・ボールペン・バインダー3点セット)を販売し、7社の新規獲得に成功しました。売上はわずかですが、件数としては上出来です。ここからは、上司同席の元、利益商品提示の為に必要な聞き取り等を行って育てていくイメージです。(エスカレター方式)

 

④共感から生まれる合意

ここまでくれば話は早いです。

後は、しっかりとした合意を得る事です。解決の全体像の共有ですね。

解決したいと思って貰えるように、悩みや問題が解消できる全体像を提示していきながら、更なるYESを得ていくのです。ここで重要な点は相手にしっかり話をしてもらう事です。

本当にこの悩みを解消したいか?経費削減の必要があるのか?リフォームを通じて安心した生活を実現したいか?等しっかり質問に答えてもらい、購入の意思を間違いないものとしましょう。大前提として、目の前の顧客は商品購入後の、メリットを得たくて商品を購入するのです。あなの商品・サービスがどのように悩みや問題を解消してくれるのかハッキリ伝える必要がここで出てきます。商品の詳細説明よりも感情を訴えかける提案が必要になります。

 

⑤先取りスケジュール

最後に重要な点は事前にスケジュールを確定させる事です。費用の話になりがちですが、どういうステップで進むのか、次回はどのような流れでいつ行われるのか、どのような行動を相手に期待するのか、資料を提出してもらうのか、しっかりと意図を伝えスケジュールを確定させ、エスカレターを動かしていきましょう。スケジュール確定まで進めば、断る理由はほぼ払しょくできたと考えて良いでしょう。先日、保険のトップセールスマンの方と話をする機会がありました。10年以上、安定した成績を確保しているようです。秘訣はシンプル、毎月、20件の成約を維持する為に見込み客、既存客との「ヒアリング」、「ニーズ確定」、

「提案」の3つのプロセスのスケジュール管理を徹底し、行動をパターン化しているとの事でした。完全なアナログ管理でしたが、年収3000万以下を下回った事はないそうです。

出来る営業マンはスケジュール確定の重要性を理解しているので、スケジュール管理が完璧です。私達もしっかり、見込み客とのスケジュールを確定させる為に、きちんと相手に寄り添い、ゴールを共有しながらリーダーシップを発揮していくのです。

 

ここまで5項目について記載してきました。営業力、個人のスキルによって取り組むべき事に違いはあると思いますが優先して頂きたいのは、①信頼関係作りです。

本当の信頼関係とは、相手の真の悩みを共有できた状態です。表面的な悩みから抜け出し、真の悩みを共有すれば、相手の態度、表情、発言内容に変化が表れます。是非、自分の顧客、商談相手とそこまで関係構築が出来ているか一度、チェックしてみてください。ここがクリアされれば、商談の60%以上は成功したと断言できます。