■営業視点から逆算する経常利益の安定法
会社経営において売上よりも重要な指標は利益です。
利益においても経常利益は会社資産を全て投資した結果の利益とも考えられる事から最も重要な指標といえます。
経営者であれば、経常利益額・率を常に意識しているでしょう。
金融機関等も経常利益額・率から投資効果を判断していると考えれば、尚更、経常利益を安定させ高める方法を掴む必要があります。
では経常利益を高めるにはどうすれば良いか?
というと、有効なのが「営業の視点から逆算すること」です。
経常利益は式にすると
経常利益=売上-原価-人件費-諸経費となります。
営業視点から逆算して経常利益を高めるためには、1つの成約にかける人件費・経費を減らす必要があります。
営業を「量」重視から「質」重視へ転換する発想法が重要となってきます。
如何に効率的に、投資対効果を高めるか?
1回の商談で確実に成約に結びつけるか?
「少ない攻撃で確実に獲物を仕留める」狩人になる事が求められます。
小規模の会社・個人であれば尚更、投資効果の高い営業スキルを身に付ける事はビジネスモデルにおける差別化要素と言えます。
■質を高める営業法
例えば、営業の行動を80%減らしても、営業の「質」を高め成約率を上げる事が出来れば、効率的な受注・売上を手に入れる事ができるのです。
更に、新規顧客獲得コストはリピート顧客獲得コストに比べ5倍~8倍以上高いと言われています。
つまり、新規顧客を追えば追うほど、コスト(原価、人件費)が発生します。
大量行動すればするほど、顧客管理コスト(諸経費)も発生してきます。
新規顧客獲得が悪いと言っているのではなく、順番があるという話です。
新規顧客の獲得は経常利益を安定させ、投資資金ができてからでも十分間にあいます。
1社でも顧客がいるのであれば、まずは既存客から何度も買って貰える関係を作り、リピート売上を確実にしましょう。
リピート商品がないのであれば、開発が急務です。1社単発型商品だけのビジネスモデルは危険であり、短絡的としかいいようがありません。
新規顧客獲得の費用を無限に用意できるのであれば別ですが、予算には限界があります。
出来れば、経費を使わずに成約に繋げたいと誰しも考えているはずです。
そういう点からも1社単発型商品であれば、自社のビジネスモデルをしっかり見直していきましょう。
では、どのように安定した経常利益を生み出すのか?
営業の「質」を高める為に何に注力するのか?
が重要になってきます。
次の章では「質」を高める営業法をお伝えしていきます。
■【質を高める営業法】シンプルな発想法が大きな売上を作る
営業の質を高める方法をシンプルに考えると、
「既存客×ノウハウ×何度も買って貰う」となるでしょう。
少し詳しく説明すると
既存客:
新規客は後回しです。まずは自社の既存客を満たす事、問題を解決する事に特化しましょう。
既存客求めてるニーズ、サービスを開発・提供しましょう。
折角の出会いのあった顧客を満たし、喜びを提供する事は経営者の使命です。
将来出会う顧客よりも目の前にいる顧客に集中しましょう。
経営者は顧客を守る義務があるのです。
ノウハウ:
ノウハウといいましたが、価値あるサービスと捉えても構いません。
アフターフォローやメンテナンス等も同じです。
もしくは自分達の経験をノウハウ化して同業界に提案する事でも良いでしょう。
単発型ではなく継続型でサポート商品・サービスである事が望ましいです。
これからの時代は、目に見える商品よりも目に見えない無形サービスを手にするべきでしょう。
自社には必ず、ノウハウ・経験のストックがあります。
このノウハウがお金に変わるとしたらどうでしょうか?
そのノウハウを手に入れたいと考えているニッチな市場があるのではないでしょうか?
何度も買って貰う:
一度でも買ってくれた顧客には常にリピートして貰う事です。
1回の取引で終わらせてはいけません。
1年間で何度買って貰えるかが計算・計測できれば、売上が先読みできます。
その為には顧客のニーズを理解し、共に悩み、解決できる関係性を目指す必要があります。
顧客はただの営業マンに心を開いてくれません。
評論だけでのコンサルタントや先生にも心は開いてくれません。
資格も関係ありません。
大切な事は目の前の顧客の問題を解決・解消する唯一の存在になる事です。
悩みを聞き、受け入れ、解決策を一緒に探してくる人です。
1人1人が問題解決者のマインドを持つ事です。
「既存客×ノウハウ×何度も買って貰う」を組合せる事で営業の「質」は高まります。
量から質への転換です。
新規顧客コストに限りがある企業が最優先にやるべきアプローチです。
その結果、経常利益を安定化させると同時、顧客との良好な関係性、顧客の問題解決ノウハウ(商品・サービス)も手に入れる事が可能となります。
経常利益が安定してくれば、新規顧客コストに資金を使えます。そして、獲得した顧客にこれまでのノウハウを提供するので顧客満足と絶対的なポジションを取る事も出来るのです。
社員が10名以下の企業、社長自ら、トップセールスを行っている企業が今すぐ、実践すべき事は経常利益を安定させる為に逆算思考で営業戦略を考える事です。