K's読書室

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読んだ本の紹介をしたいと思います。

「湖月訳 源氏物語の世界Ⅲ 名場面でつづる『源氏物語』」(島内景二、著/花鳥社)を読了しました。

この本は、北村季吟の「湖月抄」を基盤に据えながら、現代にふさわしい、新しい読み方を探る本です。「源氏物語」の「蓬生巻」から「藤裏葉巻」までが、収められています。全文ではなく、抜粋で、名場面が選ばれています。私は、原文を、2回づつ音読しました。

この本に出てくる場面で、私が、以前から気になっているのは、「少女巻」に出てくる以下の場面です。

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【原文】

猶、才を基としてこそ、大和魂の、世に用ゐらるる方も、強う侍らめ。

【湖月訳】

私の拙い考えではありますが、やはり、政の道に進もうとする人間は、漢籍や漢学を、本格的に習得すべきです。それを基本に据えれば、我が国の文化や社会の実情も、理解できるようになります。かくて、適切に、物事に対処することが可能となるのです。

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そうなんだなと思うわけです。私は、二十歳ごろから、「岩波文庫」を、それなりに読んできました。百冊以上は読んできたと思います。今は、手放してしまったものがほとんどですが、まだ、何十冊か残っています。平安時代は、外国の文献というと、漢籍ということになるかもしれませんが、現代だったら、ほかの地域の文献もたくさんあります。だだ、私の場合は、我流で、独学なので、読み間違いや誤解、理解不足が、たくさんあると思います。「本格的」とは言えません。それも、読み散らしただけなので、本当の意味で、血肉になったかというと、とても言えないと思います。そうなので、最近は、先生につくことはできないけれども、「源氏物語」と「失われた時を求めて」を基軸に据えて、読書することにしています。できれば、本格的に行きたいけれども、なかなかできません。ただ、思うのは、基軸に据える文献をしぼることで、少しでも、深く理解できるのではないかということです。できれば、鉱脈を掘り当てるまで、読みこみたいと思っています。